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日蓮大聖人・池田大作

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義経  

詩歌・贈言「青年の譜」「広宣の詩」(池田大作全集第39巻)

前後
2  騎馬は雲乗り百余名
 決死の緒を締め屋島指す
 情もなきか炎立ち
 本陣崩れて愁恨譜しゅうこんふ
  
 瀬戸の内海なぎ晴れて
 時機ときは移りて潮流に
 まさに来れるときなりと
 鎧飛びる壇の浦
  
 われに勝あり白旗に
 胸は高鳴り身も軽く
 八艘飛びの勇姿の舞
 敵も味方も感嘆たん久し
  
 日輪しずかに西海に
 横笛悲しく消え去りぬ
 哀れ夕門平家らの
 打粛うちひしれし夢の波
  
 若気のこころ霽月せいげつ
 優雅のひかりうつつ風
 飛鳥ひちょうも騒ぐ勢力いきおい
 嫉みもくるし花都
  
 紅涙しばし腰越に
 懺悔の愁訴も空しけれ
 栄華も夢か都落ち
 残れる主従は君わずか
3  さくらの木々も雪吹きて
 落涙はらいし吉野山
 怪しみ追われる悲しさに
 胸を裂きたる安宅関
  
 草葉の陰の虫の音に
 峰のかなたのいただき
 有為転変の露と消え
 ああ草枕ひそかかなり
  
 春は暁ほのぼのと
 おのれを慕いし武士もののふ
 望もあわれの衣川
 若き義経散りにけり
  (1971.10.3)

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