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日蓮大聖人・池田大作

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詩歌・贈言「青年の譜」「広宣の詩」(池田大作全集第39巻)

前後
2  この時空は
 失意のものには 怨みの稲妻
 歓喜のものには 晴れやかな金波
 疲労のものには 諦観の月
 あっという間に
 切なる人間の願いを砕き
 社会の激流を逆転する彼
 この絶妙な 無言の作業をもつ
 彼は 何者なのか――
 時は絶対の支配者といってよい
  
 倣慢な地上の権力者でも
 彼にひれ伏さぬ者は 一人としていない
 誇りゆく 栄華の日々も
 彼の眼前には 一片の反故ほごとなる
 小さな人間のあがきの策略も
 彼はあざ笑うように
 冷静な痛撃を与える
  
 時は常住――
 かつての昔 東洋の哲人は
 この彼の本姿に深心を傾け
 人の世の永遠を探求しぬいた
 そしてうつり変わる淵底えんでい
 確たる常住不変の因子を発見したのだ
  
 たしかに時は支配者かもしれぬ
 しかし その漠たる彼の素顔を知れば
 彼は 法則の可能性として
 人間の絶大な味方になると説いたのだ
3  この「時」という原理を知るものは強い
 時の実体を把んでいるものは
 崇高にして最も尊い
 彼をも胸中に収める
 因果律の法をもつものには
 正確な現実と未来が 判断されよう
 もはや俗性に迷わないからだ
  
 時は流れる
 変化しながら不変に流れる
 有限でありながら無限に流れる
 想定も仮定も
 大胆に形而上の範疇に入れ
 巨視眼で 歩みゆく
 ただ 時という定義に到達したもののみが
 時とともに 永遠に
 歴史の棹頭かんとうに立つだろう
  (1971.12)

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