Nichiren・Ikeda
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昭和三十三年(五月)
「若き日の日記・下」(池田大作全集第37巻)
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11 五月二十六日(月) 曇
自宅の経済逼迫とのこと。なんとかせねば。とにかく、出費を、最小限にすることだ。
頼みの綱──柱──である先生は、最早、この世におられないのだ。私が、皆をみなくではならぬのだ──夢ではない。現実だ。自己に鞭打つ。
理事長と、学会全体のことを打ち合わせ。長時間かかる。首脳は、一支部に固執せず、公平に、平等に、全学会を、全学会員を、見守ることだ。
偏狭な、指導者では、後輩が、可哀想でならない。
疲れきって帰宅。室の花‥‥鮮か。
少々、自宅前の自動車の響き、激しくなる。家も、揺れる感じ。
12 五月二十七日(火) 晴
一日中、不愉快な日であった。
疲れきっているせいか、朝、悪夢で、目を醒ます。何者かに、責められ、叱られている夢。″大作の意気地なし″といわれていそうだ。
夕刻──常在寺。新住職就任の祝賀会。理事長、理事室、青年部幹部、出席。全く面白からず。先生がいなくなって、威張る人多し、情けない。
われ思うこと多し。
われ憂えること多し。
日記を誌すことが、夢の中にいるようだ。わが先生が、脳裏に焼きついて離れぬ、生きておられるのが──真か、亡くなられたのが──真か、混線する夜中。
13 五月二十八日(水) 曇一時晴
午前‥‥本部にて、A文学博士と会う。傲慢なる人。価値論の話になる。本部第一応接室。
夕刻‥‥葛飾のブロックに出席。久しぶりなり。「佐渡御書」を講義。御書は、実践のたびに、信行深まれば、また深く読みゆけることを痛感。
全く、身体を無理している。大切にせねば。しかし、われは戦う。
帰宅、十二時少々過ぎ。
思念‥‥。
御書に「鳩鴿三枝の礼あり行雁連を乱らず・羔羊踞りて乳を飲む・賎き畜生すら礼を知る」と。
われも、先輩も、兄たちも‥‥社会の人々も──。