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日蓮大聖人・池田大作

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昭和二十五年(十月)  

「若き日の日記・上」(池田大作全集第36巻)

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15  十月三十日(月) 雨
 大宮方面に、部長と共に一日中社用。
 帰宅、十二時。駅より、雨のため、輪タクに乗り帰る。
 青年。青年には夢が多い。恐ろしき夢。美しい夢。憧憬の夢。苦難の夢。多感の青年。夢は日増しに多く、苦楽共に、意義がある。虹を追いかけてゆく青年の夢。努力と、前進と、忍耐と、希望とを、車輪として、夢を追いかけてゆくことだ。
 不純と、狡猾なる現実社会に、当たって砕ける勇敢さで、努力することだ。されば必ず、一歩道が開かれる。悔いは浄化される。
16  十月三十一日(火) 雨
 思い出多き、十月よ、さらば。
 苦しいこと、楽しいこと、いやなこと、嬉しいこと、
 こもごもの一か月。
 現実の荒波と、感傷の湖と、天空の虹の希望との、葛藤の一か月。
 この貴重な、一か月の劇場は幕となった。
 青空の澄みし、大気は清い。
 黄昏の、激高に、天地は美しい。
 人工の、凄まじき劇は繰り返される。
 勝つも、負けしも、舞台裏は見えぬ。
 ある人は、無目的の船である。
 ある人は、小目的の戦闘船に勇まし。
 ある人は、大目的の戦艦に、波高し。
 船のない人。溺れ仆れている人。
 小船に乗れど、どうどう巡りしている人。
 小船に乗りすぎ、まさに、沈没するを知らざる人。
 目的と、大船と、共に兼ねる人生でありたい。

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