Nichiren・Ikeda
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昭和二十五年(八月)
「若き日の日記・上」(池田大作全集第36巻)
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13 八月三十日(水) 雨
一日一日、落ち着いて来ると、同時に、会社内の負債の、深刻なる動きが漂う。小生には、内容が、さっぱりわからぬ。
ただ、前途が、暗黒であることを感ずる。
先生の胸中、父母の心配を思うと、胸が痛む。
地に依って倒れた者は、地に依って起つ以外ない。
この現状を、再起させれば、最大の活躍の証明となる。先生に心から歓んで戴けることだ。阿修羅の如く、奮い起とう。
一、次期経済の樹立方法
二、企画徹底の成就
三、整理の方針の推進
なお、(1)O部長とは、一緒に仕事をせぬこと。(2)先生と直結で、出発すること。(3)W氏より、早く返金して貰うこと。(4)後続部隊の養成。
明日は、N氏と、国税庁にゆくこと。
『レ・ミゼラブル』を読み終わる。
14 八月三十一日(木) 晴
秋来たる。
月光に、虫の音に、詩人の胸は、泉の如し。
秋は、静かなり。
動乱と、激流に、詩人の意思は動ぜず。
秋は、尊し。
慈愛の思念と、正義の戦に進む、鏡の如き季節なり。
秋は、澄みたり。
善悪の、網の真中に、詩人の胸奥は、清らかなり。
秋は、思うこと多し。