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日蓮大聖人・池田大作

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後記 「池田大作全集」刊行委員会

講義「方便品・寿量品」(池田大作全集第35巻)

前後
5  そうした励ましは本書の随所にある。
 「自身の内なる宝に気づいた人は、今度は他人の宝に気づき、他人を心から尊敬する。そして、他者に対する触発と貢献への『行動』に立ち上がっていく。その中でこそ、自身の宝が磨かれる。自身の可能性、尊厳性への確信が深まっていく──。こうした人間の『限りない向上』への道が、仏法なのです」(本巻三三ページ)
 法華経は、民衆救済の経典である。法華経は、「万人が仏である」という真理と、「万人を仏にする」という実践が説かれているが、名誉会長の講義にも、民衆の可能性を開く智慧と慈愛とともに、地涌の使命を呼び覚まし、自他共の幸福の実現のために戦い続ける不惜の精神が満ちあふれでいる。
 連載当時、読者から「読むたびに心の境涯が広がることを感じます」「毎回、新たな勇気がわき、立ち上がる決意が込み上げてきます」という声が多数寄せられたが、それは、名誉会長が、一人一人の胸中に太陽を昇らせようとの思いで講義をつづったからにほかならない。
6  自我偈の結びの一節では、「毎自作是念 以何令衆生 得入無上道 速成就仏身(毎に自ら是の念を作す 何を以てか衆生をして 無上道に入り 速かに仏身を成就することを得しめんと)」(法華経四九三ページ)という、仏の願いが記されている。
 仏のこの願い、すなわち、人々を幸福にする実践、幸福を阻む魔を破る実践で、仏の戦いに連なる行動を貫いてきたのが、創価学会である。この「毎自作是念」と同じ戦いを起こす人はまた、「仏の使い」「仏子」である。この実践こそ、仏の誓願であり、同時に、仏弟子の決意であることを名誉会長は、強調して本講義を終えている。
 どこまでも「民衆の幸福」を目的にしていく菩薩の誓願を貫く生き方を、万人に促し、内発の勇気と、不惜の決意と、開拓の智慧と、無限の希望をもたらす大いなる指標を示すのが、この「法華経方便品・寿量品講義」である。世界中の地涌の勇者によって、本書の精神が、ますます世界に広がり、時代を大きく変革していくことを確信してやまない。
                  二〇一〇年七月三日

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