Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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諸子於後。飲他毒薬。‥‥  

講義「方便品・寿量品」(池田大作全集第35巻)

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6  寿命をも延ばす妙法の大功徳
 さて、毒を飲んだ子どもたちは、父に対して「更賜寿命」(さらに寿命をください)と、お願いする。
 戸田先生は「更賜寿命」について、「われらにあらゆる生活を乗りきる強き生命力、すべての悩みを解決する功徳を与えてください」という意味であり、「信心したらよくなるという文証」であると言われていた。(『戸田城聖全集』5)
 また、その人の使命によっては、実際に寿命を延ばすこともあります。
 仏法では、寿命は宿命であり、その人の福徳として定まった業、定業であるとされます。しかし、大聖人は、妙法はその定業をも転換できる力がある、と仰せです。
 大聖人は、病気に苦しむ富木常忍の妻に「日蓮悲母をいのりて候しかば現身に病をいやすのみならず四箇年の寿命をのべたり」と、御自身の祈りで母上の寿命を四年も延ばした体験を語って励まされている。常忍の妻は、御本仏の慈愛の激励に強盛な信心を奮い起こし、二十数年も長生きした。
 戸田先生は、昭和三十二年の暮れ、獄中生活と戦後の苦闘のために極度にお体が衰弱されていた。しかし、診察を受けた医師に、愉快そうに、こう語られています。
 「生命力の問題となれば、私には絶対の確信がある。更賜寿命といってね、すでに定まっている人間の寿命をも、延ばすことができるのが仏法の力なんです」と。
 その言葉のとおり、先生は奇跡的に病気から回復された。そして「3.16」の儀式を成し遂げ、桜花爛漫の季節に逝去された。
 私自身も病弱で三十歳までは、とうていもたないと言われた身でした。けれども、戸田先生に巡り合い、広宣流布のために生涯を捧げることをわが使命として、ここまで走りぬいてきました。振り返れば、恩師よりもはるかに長生きさせていただいている。思師がご自分の命を削って、私に分け与えてくださったように思えてなりません。ありがたい師匠です。
7  尊き同志の「更賜寿命」をつねに祈念
 寿量品の次の分別功徳品では、こう説かれています。
 「寿量品で説かれた仏の永遠の寿命を聞いて、信受した人々は、未来において、長寿で、多くの人々を救います」(法華経五〇五ページ)と。
 また大聖人は、「法華経の行者は久遠長寿の如来なり」と仰せられている。正法を弘めようという決意の人、広宣流布への使命を自覚した人が、すなわち「長寿の如来」なのです。
 その人でなければ救えない人がいる。だからこそ、あの人も、この人も、かけがえのない使命の人です。その使命を存分に果たすまで、永く永く生きていただきたい。一人でも多くの人に妙法を教えて幸せにしてあげたい。だからこそ一日でも永く生きたい──その真心が寿命を延ばし、その使命感が生命力を増します。
 だからこそ、広布に生きぬく人は、生命の奥底から輝いている。はずんでいる。同じ一生でも、広布に生きぬく人生は、何倍、何十倍、何百倍、何千倍も価値がある。それ自体が長寿なのです。また、広宣流布の途上に逝いた方々も、すでに次の新たなる使命の人生を開始されていることは間違いありません。
 尊い使命の皆さま方が、いついつまでもお元気で、いついつまでも若々しく、希望に満ちた「更賜寿命」の人生をと、私は朝に夕に、つねに祈っております。

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