Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第一章 一生成仏 人生の根本目的、人類の希望の根源

講義「開目抄」「一生成仏抄」(池田大作全集第34巻)

前後
10  一生成仏の人類的意義
 第三に、一生成仏の意義として、「人類の希望の根源」となり、「人類の宿命転換の道を開く」ということを申し上げたい。これは人類的いぎと言えるものです。
 現代文明は、人間を置き去りにしてしまい、さまざまな面で行き詰まっているという指摘は多くの識者に共通した認識です。現代文明は、まさに、人間の内面の心を忘れて、「己心の外」に安楽、安逸を求めている文明と言わざるをえません。
 貪瞋癡という人間のもつ根源的迷いが解決できない限り、経済至上主義、人間性喪失の政治、国家間の対立、戦争、貧富の差の拡大、差別主義の横行など、現代の諸問題を打開することはできない。
 私がお会いした世界の知性との対話の一つの結論は、「人間自身が変わるしかない」「人間革命しかない」という一点に集約されています。
 さらに言えば、真の生死観を確立しなければ、無明の根本的な克服は不可能です。断見、常見を排した中道の生死観なくして、真の永遠の幸福は実現しません。
 人間の変革のためには、無明の克服、すなわち、人間自身の己心に永遠の尊厳性を再発見するしかありません。
 人間に本来具わっている尊貴な魂を開発することが、人類の宿命転換に直結する。その確信で、私たちは世界の善の連帯を築く闘争を開始しています。私たちのこの未聞の挑戦に、世界の期待と賞讃が一段と高まっています。
11  大聖人は本抄の結びに「努努不審をなすべからず」と仰せられています。「一生成仏を確信せよ」との御本仏の呼びかけです。
 強い「信」を貫いていかなければ、凡夫はたちまちのうちに一生成仏という根本目的を忘れて、無明の淵に沈みやすい面があることを戒められているのです。
 成仏は万人の願いです。しかし、それを今のわが人生で実現できるという一生成仏の教えほど、難信難解の法門はないのです。
 この難信難解の法を実践し、日本、そして世界に弘めてきたのが、創価学会・SGI(創価学会インタナショナル)メンバーにほかなりません。
 現代世界に、人類の宿命を転ずる一大実証を示しているのが私たち地涌の勇者である。
 この誉れも高く、これからも、万人の幸福を実現しゆく一生成仏の仏法を晴れやかに弘め、最高に価値ある人生の歴史を悔いなく残していきましょう。

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