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日蓮大聖人・池田大作

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カシミールの″太陽の子孫″ カラン・シ…  

「私の人物観」(池田大作全集第21巻)

前後
3  翌日も、創価大学で博士にお会いした。この日、博士は折から訪日中のファン・カルロス・スペイン国王夫妻に会われた後、創大で「インドから世界へのメッセージ」と題して精彩ある講演をされたのである。その後の懇談では、「すべての王は民衆から生まれたといえます。民衆から離れてはいけない」と自戒の言葉を述べられたのが印象的であった。
 王家の出である博士はおのずと品格の人、そして人に長たるべき人として生まれたといってよい。九歳から帝王学を躾けられ、十八歳の若さで、ジャンム・カシミール州長官に就き、そのポストを十八年間も務められた。以後、下院議員に転じ、今日まで四期。その間、三たび入閣されている。まだ四十九歳の若さである。やがてはもっと大きな政治的要請があるかもしれない。
4  やがて、博士夫妻は北海道へ旅立たれた。函館に着くと恰も好し、美しい雪が降ったという。それが雪を頂くヒマラヤの山影を偲ぶたよりとなって、お二人はとても喜ばれたようである。
 この世で、真実の友人をもつこと――それはいかなる名誉や財宝にもまして確かで、貴く、幸せなもの、という人生観を、私はシン博士に語ったことを思い出す。これからも、二人のあいだに、幾歳月にも風蝕をうけ在い友情を育んでいきたいと念願するものである。

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