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日蓮大聖人・池田大作

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2 さまざまな汚染物質  

「21世紀への人間と哲学」デルボラフ(池田大作全集第13巻)

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21  デルボラフ なかば空想的だというきらいはありますが、蛋白質含有量五〇%の藻を培養し、日常の食事を植物性にするとか、高速道路をできるかぎり鉄道に代替し、通勤構造を電気自動車や電動式歩道とか通信システムによって改良し、より快適で、健康的で、人間的な都市計画を実施すべきである、という考えもあります。さらに、膨大な量の紙を使用していることは、森林の伐採の原因にもなっていますが、これなども、電子技術的に映像新聞やコンピューター・データにおきかえ、全図書館の蔵書をマイクロフィルム化することなどによって縮小化し、最小限のものにすることが可能かもしれません。
 いくつかのこうした提案は、今日では、まだ空想の域を出ず、そのうち取り上げられ、検討されたとしても、多くはおそらく、ふたたび忘れさられてしまうでしょう。まじめに受けいれられ、最後まで実行されうるのは、ほんとうに少数の提案だけでしょう。しかも、ここでもつねに商業上の利害がからんでおり、市場性があれば実施されますが、そうでなければ、無視されることになります。
 ただ、全体の繁栄に真剣に責任を負う民主主義政治だけが、ほんとうの変革をなしとげることができるでしょうが、その場合でも、積極的に推進するためには、世論による大きな圧力が必要だと思います。つまり、市民運動が大切になるのです。失敗しても、絶望することはありません。この困難な状況は、われわれ自身がまねいたものであって、それゆえにこそ、活路を見いだそうとする建設的想像力だけは、今後も、大切に維持すべきだと思います。
22  ヘルベルト・グルール
 (一九二一年―九三年)政治家。七八年に「緑の行動・未来」を結成。「緑の党」の全国組織の確立につくした。「緑の党」は八〇年に政党化し、反核、環境保護、女性解放、非暴力などをかかげて活動。
 アウレリオ・ペッチェイ
 (一九〇八年―八四年)イタリアの実業家。“人類の危機”を訴え、七〇年にローマ・クラブを創設し会長に。著書『人類の使命』『未来のための一〇〇ページ』など。池田SGI会長との対談『二十一世紀への警鐘』(八四年刊)は反響を呼んだ。

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