Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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1 何が最も大切か
「21世紀への人間と哲学」デルボラフ(池田大作全集第13巻)
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池田
おっしゃるとおりです。とくに現代においては、巨大な発達をとげた物理化学、生物科学、核物理学などが、大量殺戮の手段の提供さえ可能にしてしまっていますが、知的発達と倫理的能力のアンバランスがもたらす恐ろしさは、ここに象徴的にあらわれています。これを児童の段階から、一人一人の精神的発達のなかで、相互に緊密に結びあったものとして発展させていくことは、きわめて重要な課題です。
あなたは、この点について、私と意見を異にするといわれましたが、けっして、意見が異なるわけではありません。先の知識の有機的全体性ということに関連していえば、この有機的全体をいかなる方向に向かわせていくかが、この倫理教育のかかわる問題になるわけです。
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デルボラフ
とうぜん、授業においては、たんに知識習得だけが押しつけられるような状況があるでしょうし、また逆に、社交の場では、徳性の訓練のみが求められるといった場面が、あい変わらず存在することでしょう。疑いもなく、たとえば家庭は、正直さ、誠実さ、忠誠、寛容、温和、友愛等の美徳を継承させていく、という役割を担っています。その訓練のための仕組みは、たいていの場合、非常に単純な構造であって、そのこと自体は問題とはなりません。
それよりも、生徒が後日、出あうことになる職業や政治的・社会的活動の分野のほうが、はるかに重要であり、かつ極端に複雑になりますから、かんたんに訓練できるものではありません。
こうした活動分野で自己を主張し、実績を残そうとする者は、そこで要請されるものに、みずからを開いていかなければなりません。さらにまた、その要請をきわめて広範囲な事物の関連のなかで理解するためには、ヘーゲルが言う「概念上の努力」も無視できません。そのためには、事象に即した良質な授業が不可欠な前提となります。
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モンテーニュ
(一五三三年―九二年)フランスの懐疑思想家。主著『随想録』のなかで人間観察と自己省察を書きつづけ、ルネサンス期を代表するモラリストとされる。
コメニウス
(一五九二年―一六七〇年)ボヘミア(チェコ)の教育思想家。プロテスタント神学者。自発性、直観、経験等に根ざした近代的教育法を説いた。
発明の価値に両面性
『パイドロス』のなかでソクラテスの言葉として語られた、言語の善悪二面性のこと。表象世界の二重の永続性 時間的永遠性と空間的普遍性。
ギムナジウム
大学進学のための資格を取得できる高等学校。
ジョナサン・スウィフト
(一六六七年―一七四五年)イギリスの作家。文壇・政界で辛らつな批判精神をもって行動。代表作『ガリバー旅行記』で当時の社会を痛烈に風刺。
「テオリア」
「観念」を指すが、本来は「観照」という意味である。
「テオリー」
英語ではセオリー、「理論」を指す。
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