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日蓮大聖人・池田大作

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「第三の虹の橋」アナトーリ・A・ログノフ(池田大作全集第7巻)

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3  ソ連邦におきましては歴史的意義をもつ変革が進んでいます。全国を巻き込んだ民主化のプロセスは、これまでのいつにもましてマルクス・レーニンの学説の古典的遺産の精神に合致しております。申し上げておきたいのは、わが国が着手した再編は、たんにソ連邦の国内政治の問題ではないということです。それは国際的意義をもっています。自国の社会発展にかかわる諸問題の解決にあたりながら私たちは、世界共同体のかかえる諸問題の解決にしかるべき貢献をすることができるでしょう。
 隣国日本の皆さまが、ソ連で見られる変化の方向をまさにこのように理解してくださればうれしいと思います。それは、両国間の問題を建設的に解決する助けとなるでしょうし、またそうすることによって、地域的、ひいては全世界的規模における国際関係の実りある発展をうながすことになるでしょう。
 祖先から引き継いだ文化的価値、民族的特徴および伝統において、両国民には違いがありますが、しかし、池田先生と私の間で行われた対話が裏づけているように、それは、お互いによく理解するための障害ではありません。明らかにされたように、数多くの重要な問題でわれわれの見解は完全に一致しております。立場の異なったモメント(契機)もありましたが、しかし、それさえ理解をもって相手に対するうえにおいて、妨げとはなりませんでした。これが最も重要です。双方にとって対話は興味がありました。というのも、対話をしたことによって、より多くお互いを知ることができ、それぞれの国を、そして、それぞれの国民の生き方を知ることができたからです。私たちは、共通点を、そして相違を探求しました。西と東という二つの文明における共通点であり、相違をです。言葉をかえて申し上げれば、世界の無限の豊かさ、そして多様さに接することができました。
4  対話開始後、六年の歳月が流れ去りましたが、このイニシアチブをとられた池田先生に衷心からの感謝の気持ちを表明させていただきます。
 永久平和、明るい太陽、満開する桜花……日本国民の繁栄を心底から望んでやみません。
 一九八七年三月九日
     ソ連科学アカデミー正会員
        モスクワ大学総長    アナトーリ・A・ログノフ

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