Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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第一章 調和の鍵
「闇は暁を求めて」ルネ・ユイグ(池田大作全集第5巻)
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池田
そのとおりですね。しかし、そうした、かつて人間と自然のあいだに打ち立てられていた関係にも違いがあります。原始的な宗教は、東洋でも西洋でも、自然に神性を認め、人間はこれらの神に服従すべきものとしていたように思われます。これに対し、ヨーロッパでは、ユダヤ・キリスト教が、人間こそ自然に対する支配者であるという考え方を発展させてきました。
私は、これらは両方とも極端で、正しくない考え方であると思います。仏教では、人間の尊厳性を強調し、それを実現する方途を明らかにするとともに、人間と自然とは相互に依存しあい、助け合うべき関係にあることを教えています。こうした仏教思想が、これからの人類文明においてもつ意義を、他の諸宗教と比較して、あなたは、どのように評価されますか。
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ユイグ
あなたが提示された均衡の原理は、私には非常に正鵠を射たものであると思われます。人間に最大限の尊厳性と同時に自己完成の責任を与えることが宗教的概念の重要な意義であるとするなら、同時に、自分が自然の一部であり、自分はそこに参画しているのだという意識を発展させることも必要です。そしてもし、それによって宇宙の全体を理解するなら、人間はある種の謙虚さと、あえていえば、ある意味での帰順の心をいだくはずです。
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