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日蓮大聖人・池田大作

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宗教における寛容  

「社会と宗教」ブライアン・ウィルソン(池田大作全集第6巻)

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7  したがって、あなたが指摘されたように、そこには微妙な均衡が保たれる必要があります。いかなる宗教運動に対しても、その運動の立場を自ら損なうよう要求することはできません。どの運動も、その信者たちに全面的な忠誠を求めるのは当然のことなのです(キリスト教の主流をなす諸教派や、またたぶん他の既成の諸宗教の場合も、信者に対しては、たしかに少ない要求しか出していません。これらの教派は、外見のみ異なる団体として活動しています。つまり、同じ製品に異なる“商標名”を付けているわけで、実質的な宗教による売り手独占といった状態なのです)。
 他方、いかなる宗教運動も、敵意に満ちた環境を生むようなやり方で、他の運動を謗ることはできません。まして、自派の利益のために、他の運動の信仰に世俗権力が介入するよう求めることなどできないのは、いうまでもないことです。なぜなら、同じ武器が、やがて自分たちに対して使われることがあると困るからです。
8  (注1)「信仰の多様性」(plenitudeoffaith)
 教派、会衆、教団、宗派等、キリスト教全体の広い枠組みの中にあるさまざまな信仰形態の違い、多様性に関して使われる用語で、主として、それらの諸分派を同じキリスト教に再統一する見通しについて、楽観的評価に立つ人々が用いるもの。

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