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日蓮大聖人・池田大作

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ガン宣告の問題点  

「社会と宗教」ブライアン・ウィルソン(池田大作全集第6巻)

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5  ところで、このごろでは、ガンに関する知識が一般の人々にも普及しており、たとえ知らせなくても放射線治療を始める段になると隠し切れるものではありませんし、末期に近くなれば、ほとんどの人々は自分の疾患を知ってしまうものです。偶然に知った場合も含めて、ガンであることに気付いている患者にどのように接していくかということも、難しい問題になってきます。
 この死と直面したときにこそ、本人が死の事実や死の恐怖と闘うことができるよう、医師や看護婦や宗教家は、患者を助けてあげなければなりません。そこで起こる“いかに死を迎えるか”という問題は、“いかに生きるか”ということにつながっており、それは、すぐれて宗教的な課題です。
 死生観を確立した患者は、自己の死が迫っていることを知っても、それを源泉にして再び強靭な精神力と身体のエネルギーを奮い起こし、死の不安・恐怖と闘って、みごとな人生の最終章を飾ることができるでしょう。また、おそらく、免疫の機能が高まった結果でしょうが、場合によっては、ガン疾患そのものを乗り越える場合もありうることが、ガンの自然退縮(注1)の例として、注目されるようになっています。
6  (注1)自然退縮
 臓器や組織が何らかの原因により、自然に生理的に萎縮していくこと。退縮とは容積が減じて、機能も低下していくこと。

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