Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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平和への貢献
「社会と宗教」ブライアン・ウィルソン(池田大作全集第6巻)
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もう一つ別の道としては、こうした宗教組織が、平和という一つの特定の目標に献身する政党を結成することも考えられます。その政党は、正常の政治ルートを通して、より整然とした伝統的なやり方で、影響力を行使しようとするかもしれません。その際に裏面での障害となるのは、世界のさまざまなパワー・ブロック(勢力圏)において、宗教の形態もきわめてさまざまであるということです。
主要な大国の多国間軍縮に対して、いやおそらく二国間軍縮に対してさえ、反対する者はいないでしょう。疑問が生じるのは、自国のみの、一方的軍縮政策の場合です。西欧諸国民の大多数が、一方的軍縮が実行可能な政策であることを確信するようになるには、彼らが大きく気持ちを変える必要があると思います。これを効果あらしめるためには、宗教的な勢力が、ソ連と西欧の双方で働くことが必要だろうと思います。
しかし、これらの国々では、宗教が発展するための社会的状況は、それぞれ差異はあるにせよ、いずれも依然として好ましいものではありません。もし、平和を志向する宗教的感情が双方の社会的背景の中で同時に育つことがあるとすれば、そのときは政治家たちも説得に従うかもしれないと思います。しかし、そうしたことが見込みとして現実的であると、あなたはお思いになるでしょうか。
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池田
たしかに、宗教の影響力という観点でこれを考えれば、ある宗教が影響をもちうるのは、主に、その宗教を信仰している人に対してであり、しかも宗教の発展のための要因は、現代においては、決して十分ではありません。ただし、人間性の深化と豊かさの問題に取り組んだのが仏教であり、それが教えているものは、仏教を信仰していない人々にも受け入れられる“人間としての英知”です。
私は、平和・文化の次元については、仏教の教えている知恵は、信仰の有無にかかわりなく、人々に訴えかけ、目覚めさせ、実践化していけるものであると考えています。
したがって、教授のおっしゃる「平和を志向する宗教的感情が双方の社会的背景の中で同時に育つ」という可能性は、短期的ではなく、長期にわたる展望で見ていかなければならないと思います。その信念に基づいて、私はこれまでも多くの各国指導者たちに会って対話をしてきましたし、これからも平和のために、大海の一滴として、対話と活動を続けていきたいと決意しております。
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