Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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理性の限界
「社会と宗教」ブライアン・ウィルソン(池田大作全集第6巻)
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特に仏教では、外的・物質的条件によって幸・不幸が左右される人間生命の状態を“六道”と呼び、内面的な主体性を確立しようとする生き方を“四聖”と呼んで、区別しています。“六道”とは、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天といって、地獄は主として人間に対する激しい憎しみに囚われた状態、餓鬼は欲望に苛まれている状態、畜生は本能に支配され、理性的判断ができない状態、修羅は自我意識に歪められて正しく物事が捉えられず、常に周囲と確執している状態、これらに対し、欲望などが満たされて喜んでいるのを天、外的世界と調和した平静な状態を人といっています。
しかし、これらは、いずれも、外的・物質的条件に左右されているため、常に移り変わります。そこで、事象の奥にある普遍の真理を把握することにより、不動の自己主体を確立しようとするのが“四聖”で、これは声聞・縁覚・菩薩・仏から成っています。声聞とは先覚者の教えにより、縁覚とは事象の観察によって、それぞれ真理を得ようとするのをいい、これに対し、他者への慈悲の行動によって自己の向上を図るのが菩薩、自己完成を遂げた状態を仏といいます。
“四聖”の特筆すべき点は、自己の変革によって、生命本然の欲求を超克しようとすることであり、そうした欲求に仕えるのでなく、逆に、欲求を英知と慈悲のもとに従わせる生き方を樹立しようとすることです。ここに、生きるためにどうするかということに終始している現代文明の限界を乗り越えて、何のために生きるかという究極目的が、明らかになってくるといえましょう。
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(注1)“信仰の飛躍”第一部「宗教の神秘性」の項参照。
(注2)フランケンシュタイン自分が作り出しながら自分の手に負えなくなるような、または自分を破滅させるような怪物(破壊的な力)を造った博士。M・シェリー作の小説『フランケンシュタイン』(一八一八年)中の主人公の名。
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