Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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社会的・文化的諸活動
「社会と宗教」ブライアン・ウィルソン(池田大作全集第6巻)
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セクト的な運動は、往々にして――決して常にということではありませんが――ずっと厳しい道徳的態度をとり、さまざまな形で現れる世俗文化やレクリエーション、そしてときには教育のあり方についてさえ、認めないことがあります。宗教的献身と競合するかもしれないものは、いかなる活動も認めないというケースもあれば、また別に、本質的には無害とみなされていても、部外者との好ましくない交際に信者を巻き込むような活動は禁止する、というケースもあります。この最後に述べたグループにあっては、自分だけで行う娯楽は許されても、非会員と一緒に同じことをするのは許されないのです。このようなグループでは、自助の精神と外部世界から完全に隔離していたいという信念から、ときには、国家からの福祉の支給も拒絶することがあります。
文化的・レクリエーション的な性格の非宗教活動に対する反応は、宗教教団の間でも、非常にさまざまです。主要な教会では、そうしたことについては、非常に抽象的な指導をするだけです。そして、多くのセクトが非常に制約された姿勢をとるのに対し、そういった世俗的な仕事を、社会的宣伝の精神に立ってうまく利用するセクトもあります。モルモン教が(注2)、ソルトレーク・シティの会堂聖歌隊が組織した巡回旅行や、記録保管(注3)や、社交ダンスを含む各種スポーツの推進によって広く名を売ったのは、その例です。クリスチャン・サイエンスは、宗教色のない日刊新聞(注4)の発行をアメリカ全土で行っていることで、かなりの信望を勝ち得ています。
もちろん、そうした文化的事業があるというだけで、その信徒になるという人はおりません。しかし、そういった活動によって、世間から喝采を受け、すでに信徒になっている人々を“元気づける何か”が与えられることで、その組織内の忠誠心が強化されるのです。
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(注1)救世軍
十九世紀末にイギリスで起こった福音伝道主義の教団。福音伝道活動のために制服を取り入れ、軍隊に類似した組織形態をとった。広範な社会的福祉事業に従事している。
(注2)モルモン教
活発な改宗者獲得を行っているアメリカのセクト(末日聖徒イエス・キリスト教会)。聖書とともに、創唱者ジョーゼフ・スミス・ジュニア(一八四四年没)が受けたという天啓に基づく信仰をしている。モルモン教徒は、主としてアメリカ中西部から彼らの「約束の地」ユタ州に移住した。現在ではアメリカ全土と世界各地に約五百万人の信徒がいる。
(注3)記録保管
モルモン教では信者が先祖への儀礼を行うため、先祖探しができるように系図の調査・作成を奨励し、そのためユタ州の記録文書局に厖大な数の系図のマイクロフィルムを集めて保管している。
(注4)日刊新聞「クリスチャン・サイエンス・モニター」。
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