Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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ガンジー主義への評価
「社会と宗教」ブライアン・ウィルソン(池田大作全集第6巻)
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池田
思うに、イギリスの植民地支配は、全体的には他のどの国よりも巧みでした。特に、鉄道など、今日のインドが恩恵を受けているものも少なくありませんが、しかし、他国から支配されること自体、誇り高いインド人にとっては、耐えがたいことであったはずです。
また、植民地支配下でイギリス人から受けた仕打ちには、インドの人々にとって、激しい暴力手段に訴えないでは気持ちのおさまらないものが、多々あったことでしょう。だからこそ、ガンジーは、非暴力の抵抗をインド人に教えるのに、並々ならない苦労をしたのでした。
長い間の、植民地時代の屈辱や悲惨のみでなく、独立を求めての運動に対して、帝国権力は強大な力と残酷な手段で抑圧しましたから、その中で非暴力抵抗主義を貫くことは、たいへんな自己との戦いであったと思われます。しかし、教授も言われたように、ガンジーは「最高度に洗練された自己抑制の模範」を示したわけです。
もし、このガンジーの実践を全人類が模範とするなら、現代における人類の最大の災厄というべき、国同士の争い――なかんずく戦争――をなくすことが可能となるはずです。
人類がそこまで自己抑制をなしうる文明人に向上しないかぎり、国際社会での紛争を暴力の応酬によって解決しようとする愚かさから、脱却ることは不可能でしょう。
暴力に訴えることは絶対に“解決”にはならず、応酬は無限に続き、暴力性はますます激しくなっていくに違いありません。否、歴史はこのことを、数えきれないほどの事実をもって教えてくれています。
たしかに、ガンジーのような“聖人”ともいうべき人と同等の精神的な力をもって行動することは難しいでしょうが、一人でも多くの人が、一歩でもそれに近づいていこうと努力すべきです。そして、それは、日常生活では多くの文明人が行っていることなのですから、私は可能であると考えます。
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(注1)ガンジー(一八六九年―一九四八年)
インドの政治家、無抵抗主義者。インド独立の父と仰がれマハトマ(偉大な魂)と呼ばれる。英国に学び弁護士を開業、南アフリカで人種差別法令の撤廃に努力し、ついで無抵抗、不服従、非暴力主義をもってインド独立に尽くした。独立の翌年、ヒンズー教徒に射殺された。
(注2)ソクラテス(前四七〇年―前三九九年)
古代ギリシャの哲学者。アテネの人。毎日、市民と哲学的対話を交わし、自身の最も大切なものを教えようとした。この努力は受け入れられず死刑に処せられた。その教説を弟子のプラトンらが『ソクラテスの弁明』『パイドン』等にまとめた。
(注3)聖フランシス
(一一八二年ごろ―一二二六年)イタリアのフランチェスコ修道会の創立者。アッシジの生まれ。修道生活に高い理想を実現しようとした。
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