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日蓮大聖人・池田大作

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21世紀と東アジア文明 中国社会科学院記念講演

1992.19.14 「平和提言」「記念講演」(池田大作全集第2巻)

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21  更に、東アジアの精神性にあって特徴的なことは、そうしたエートスが人間社会に限定されず、自然をも巻き込んだ宇宙大の広がりを見せていることであります。
 ここでは詳しくは触れませんが、仏教の「山川草木 悉皆成仏」に象徴される自然と「共生」しゆく思潮は、環境破壊や資源・エネルギー問題等が深刻化するほどに、ますます重みを増していくにちがいありません。
 そのとき、東アジアは、二十一世紀文明の夜明けにあって、経済という表層次元だけではなく、精神性の深みにまでスポットが当てられ、人類史の駆動力として、一段と全世界から期待が寄せられてくると信ずるのであります。
 最後に、私の心情を陶淵明とうえんめいの詩の一節に託し、講演を終わらせていただきます。
22   相知は何ぞ必ずしも旧のみならん
  傾蓋は前言に定まる
  客有り我が趣きを賞し
  毎毎林園を顧みる
  談かないて俗調無く
  説く所は聖人の篇
23  親友関係は、長い歳月をかけて交際を重ねた結果、生みだされるものということはなく、ただちょっと、道路を通りかかって、たがいに語り合っただけでも親しい友人となり得るということは、すでに昔の人の言葉によって定説になっている。
 私にも親友がおり、すなわちあなたがそのような人である。あなたはよく私の趣味を理解し賞讃して、つねに私の林園の風景をかえりみてくれる。
 あなたとの談話はつねになごやかで調子が合い、世俗の人々の談話のように名利(=名誉と利益)を追求するようなことがない。話すことは、昔のいわゆる聖人の言葉を載せた典籍のことであり……。(大野賓之助『中国友情詩集――永遠の情熱にふれる青春の書』産報)
 シェーシェー(ありがとうございました)。
 (平成4年10月14日 中国社会科学院)

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