Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第19回「SGIの日」記念提言 人類史の朝世界精神の大光

1994.1.26 「平和提言」「記念講演」(池田大作全集第2巻)

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52  こうした平和への様々な課題を国連五十周年の大きな節目にどのように取り組んでいくか、私は関係者の真剣な検討をお願いしたい。なかんずく戦後、ヒロシマ・ナガサキの被爆体験に立脚し、核廃絶を主張してきた日本はこの歴史的な転換期を迎えて、平和へのリーダーシップを発揮すべきだと思います。
 例えば、一九九五年に「国連平和サミット」を開催し、国連に世界の首脳が集まり、全面完全軍縮への合意の流れが作れればと思うものです。原子力の国際管理案や全面完全軍縮などというと夢物語のように思うかもしれませんが、戦後まもなく米国はパルーク案という原子力国際管理案を国連の原子力委員会に提出したことがありますし、一九五二年には国連憲章を基盤に紛争解決の手段としての戦争を制度的に不可能にし、戦争のない世界を築くための包括的な軍縮提案を行っております。
53  戦争のない世界を築くも築かないも人間次第であります。それを不可能と諦めてしまうか、あくまでもその難行に挑戦していくか、そこに二十一世紀の命運がかかっております。考古学者の説くところによりますと、人間の歴史四百万年のなかで、集団同士がぶつかりあう戦争の歴史は一万年にも満たないそうであります。とするならば、戦争のない人間社会の実現は決して不可能ではないという確信がわくではありませんか。
 二十一世紀まで七年を残すのみとなりました。戦争と暴力の二十世紀のなかで翻弄されてきた民衆が、今や歴史の主役として登場する時代がやってまいりました。民衆こそが新しい共生の秩序を建設するための主体者なのであります。その民衆の国境を越えた連帯により世界の不戦を実現させ、第二の千年を希望輝く時代にしようではありませんか。そのために本年も私は、世界を駆け巡り平和のための対話を続けてまいる所存です。
 (平成6年1月26日「聖教新聞」掲載)

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