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日蓮大聖人・池田大作

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第18回「SGIの日」記念提言 新世紀ヘヒューマニテイーの旗

1993.1.26 「平和提言」「記念講演」(池田大作全集第2巻)

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35  削減でなく核兵器を全廃
 米国とロシアが敵対関係にない以上、かつて幅を利かした核抑止論は無意味といわざるをえません。従って、三千もの核兵器を保有する理由はありません。今、両国に要請されているのは、核兵器の全廃の決意であります。なぜそれが今、必要か。それは核兵器全廃が世界の軍縮にとって象徴的な意味をもつからであります。
 今まで不可能と思われていたことに米国とロシアが踏み出せば、世界全体の軍縮に大きなはずみを与えることは間違いありません。その他の核保有国を交えた核全廃のための国際会議の道も開けるのではないでしょうか。
 現在、核削減を進めるうえでネックになっているものの一つに、核弾頭の解体廃棄に大きなコストがかかるという点があります。経済事情の極めて悪いロシアには、それを負担する余裕がないといわれます。この問題はどこか特定の国がロシアを支援すれば、それで済むという問題ではありません。
 更に、核問題は米国とロシア間の問題にとどまらず、世界の核拡散をどう阻止するかという深刻な課題にも直面しております。私は複雑化する核問題に総合的に対処する何らかの新しい国際機関が必要ではないかと考えております。
36  私は、以上述べた国連の再生と強化を日本こそが積極的に進めるべきだと考えるものです。日本の国際的貢献とは、単に国連の安全保障の役割にどう関わっていくかだけではない。まして、安保理常任理事国になるかならぬかなどの面子を争っている段階でもありません。環境、貧困、飢餓、人権、人口など幅広い分野で総合的に国連に協力していくことが大事であります。
 本年も、私はこうした平和構想の実現を目指して、世界の心ある人々と対話を重ね努力していく所存であります。
 (平成5年1月26日「聖教新聞」掲載)

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