Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

ボランティアの心 「困っている人がいればすぐ動く」文化を

「青春対話」(池田大作全集第64巻)

前後
26  「あなたの手紙に涙が出たよ」
 ―― ある女子高等部員は、高校受験に失敗し、志望校に行けませんでした。落胆していた時、女子部の先輩が『青春対話』をもってきてくれました。
 「自分がいるところが、最高の″学びの場″なんだ!」――池田先生の励ましの言葉にふれて、彼女は迷いが吹っ飛んで、新しい気持ちで高校生活をスタートしたのです。
 そして一人の友人と出会いました。その子は病気をして、長期間、学校を休んだことから、病気が治っても、学校に来れなくなっていました。高等部の彼女は「何とか、その子の力になりたい」――そう祈るようになったのです。
 その子は、学校をやめて、他の高校に編入したいと思っていました。でも両親や周囲が反対し、本人も不安をかかえていました。
 高等部の彼女は、勇気を出して、自分の心の支えである『青春対話』と手紙を渡しました。「あなたの決意を応援するよ。どうなっても、あなたの友達だよ」と。
 その子は、編入試験に合格。その発表の日に、電話がかかってきたのです。「あなたのくれた手紙と本を読んだら涙が出たよ。私が頑張れたのも、あなたたちのおかげ。本当にありがとう!」と。
 その後、高等部の彼女自身も、将来の夢を見つけました。それは音楽を通して、ハンディキャップのある人の「カウンセリング」をする仕事です。一度は、あきらめていた自分の夢への挑戦が始まったのです。
 彼女は言います。「私が、これほどまで、だれかのためになりたいと祈ったのは初めてでした。おかげで毎日唱題でき、勇気を出すことができました。そして、本当にやりたいことを見つけました。つらいことも、すべて自分の財産にすることができました!」
27  「無関心」「無慈悲」の世界を変えよ!
 池田 立派です。ボランティアといっても、何か特別な場所に行ったり、特別なことをすることではない。自分の身近なところに、ボランティアの出発点はある。
 「人に尽くそう!」と決め、勇気を出して「行動」を開始した時、もっと強い自分になれる。人間としての器が、もっと大きくなる。多くの大人たちは、その勇気を、もう失ってしまっている。年を取れば取るほど、小さく固まって、「自分を守る心」が強くなっていく。
 だからこそ、私は、広宣流布を皆さんに託したいのです。「無関心」で、「無慈悲」の世界を変えていくのは、皆さんしかいない。
 地球を舞台に、皆さんの「勇気のドラマ」が、いたるところで展開されるとき、人類の新しい歴史が始まる。そのときこそ、「人道の世紀」の幕が、堂々と開くにちがいない。
 私は、その夜明けを祈るがゆえに、「高等部の友よ! わが弟子よ! 徹して学べ! 徹して鍛えよ! 徹して労苦を! 徹して強くなれ!」と叫ばずにはいられないのです。

1
26