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日蓮大聖人・池田大作

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働くって何? 自分の天分を生かせ! だれでも何かの天才

「青春対話」(池田大作全集第64巻)

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12  「尊いお金」「邪なお金」
 ―― 「お金」よりも大切な何かが得られる……。
 池田 そうです。給料をもらっている限りは、働くのが当然です。仕事は、基本的に利害の契約だからです。
 しかし、給料だけに左右され、働かなくなるのは愚かなことです。まして諸君は若い。「自分は給料以上に働くぞ」というくらいでいいかもしれない。それが自分の修行になる。
 働いて給料を得る――正しい道で得たものは、金額に関係なく尊い。給料がいいにこしたことはないだろうが、同じ1万円でも、汗水流して得たものは、黄金の宝です。盗んだり、悪いことをして得たものは、糞か瓦礫のようなものだ。
 犯罪とか横領で得たお金は不浄です。また「悪銭身につかず」で、結局、幸福はない。有力官僚になっても、汚職で一生涯、罪人として苦しむ人もいる。
 心の映り方で、邪なお金にもなるし、尊いお金にもなる。心ひとつで、どうにでも変わる。
 結局のところ、いい人生、いい生活、いい家庭のために、懸命に働き、いい社会人として、その職場で悠々と賢く努力をして、その場で勝利していくことが、いちばん幸せであり、人生の勝利者です。
13  職場で「好かれる人」に「頼られる人」に
 ―― 「会社に入ったら人間関係は大丈夫だろうか、今から不安です」と心配している人もいます。
 池田 たしかに会社という社会の中では、同僚、上下関係で、賢く、仲良くしていかないといけない。自己中心だと嫌われ、排除され、会社・社会の敗北者となってしまう。
 「賢く生きる」ことが、仕事に生きるうえで、大事な要件なのです。日蓮大聖人も「賢きを人と云いはかなきを畜といふ」と仰せです。
 社会というのは、一面から見れば矛盾だらけです。汚いところもあるし、厳しいところもある。それを安易に考えて、自分が社会の落後者になってはならない。
 そうなってから、どんなに弁解しても、負けは負けです。うまく泳ぎきっていかなければならない。溺れてはならない。
 牧口先生は三種類の人間がいるといわれた。「いてもらいたい人」「いてもいなくても、どちらでもよい人」「いては困る人」
 君たちは「いてもらいたい人」になりなさい。職場で好かれる人に、頼られる人になることです。また職場の仕事に努力していくことを忘れてはならない。それが「本有常住」を説く仏法の信仰者の正しい生き方なのです。
14  全員が活躍を! 「活躍」こそ幸福
 ―― 多くの人からの質問ですが、「世界平和のための仕事、広宣流布のための仕事につきたい。どういう仕事がいいでしょうか」と。
 池田 人道のため、人権のため、また仏法に生き、人のために尽くすことを目指すのは立派な選択です。
 だからといって、「こういう職業につかなければ平和に貢献できない」ということはない。
 国連や青年海外協力隊でも、どんどん働いてほしいと思うが、一方、一主婦として、平和の行動を現実に積み重ねている人はたくさんいる。
 私がお会いした(一九九五年十二月)アルゼンチンの人権活動家・エスキベル博士は、彫刻家です。
 アメリカ公民権運動の母・パークスさんはデパートの店員でした。
 自分の仕事、自分の立場に誇りをもち、本当の自分に生きることが大事です。多くの歴史上の革命児は、革命の途上、命をおとしていったが、それも立派な仕事です。
 ともあれ、諸君には、ありとあらゆる世界で、ありとあらゆる分野で活躍してほしい。「活躍」こそ「幸福」の異名です。自分の天分を思う存分に発揮することです。ありったけの自分を輝かせて生きるのです。それが本当に「生きる」ということです。
 君たちが、それぞれの分野で「一流の人」になることが世界平和の道であり、それが「広宣流布」なのです。

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