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日蓮大聖人・池田大作

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青春の友情、青春の人生観 友情は「自分の生き方」で決まる

「青春対話」(池田大作全集第64巻)

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19  「級友が学校に来なくなった」
 ―― あるメンバーからですが、「学校に来なくなってしまった人がいる。あまり話をしたこともないクラスメートだが、どうしてあげればいいでしょうか」という悩みです。
 池田 まず、そうやって、人のことを思いやってあげる心が尊い。根本は、祈ってあげることです。具体的には、ケース・バイ・ケースでしょうが、「心配しているよ」「待っているよ」という気持ちを何らかの形で伝えることではないだろうか。それは状況によって、実際に会いに行ったり、電話したり、手紙を書くなど、方法はいろいろあるでしょう。
 急に変わるものではないかもしれない。ただ、「待っているよ、学校で顔が見れると、うれしいよ」と伝えて、友達がその気になった時に来やすいようにしてあげる。来やすい「道」を開けておくということです。そういう温かい気持ちをもった″同志″をクラスの中に少しでも増やしていくことも大事でしょう。
20  「成績がよいので妬まれる」
 ―― 「成績がよいので、妬まれる」人もいます。
 池田 その人は、誇りをもっていきなさい。人生、妬まれるのは、しょうがない。「中傷というものは何ごとにつけても、いろいろたくさんなされるものだけれどもね」(プラトン『国家』藤沢令夫訳、岩波文庫)と、ソクラテスが語っているように、人類の教師と讃えられた英知の人でさえ、中傷され、讒言におとしいれられていたのです。もちろん、成績を鼻にかけるのはいけないが。
 私が小学生の時、いつも良い服を着て、裕福で幸せそうな子がいた。うらやましいと思ったこともあった。皆も、羨望の目で見ていた。今ならば、焼きもちを焼いて″いじめ″の対象になってしまうかもしれない。しかし、そんな心は動物性の畜生の心です。彼よりもすばらしい人生を送ろうと思う雄々しい心が、「人間性」の輝きです。
 人をうらやんでも、自分がみじめになるだけで進歩はない。そういう感情に負けてはいけない。縛られてはいけない。要するに、「人を妬む」より、「人に妬まれる」ほうが、ずっといいのではないだろうか。
 人を包みゆくことです。大きな河のような自分になるのです。大きな海のような自分になるのです。大きな大きな青空のような自分になるのです。その「大きな心」から、大いなる友情のドラマは生まれてくるのです。

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