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日蓮大聖人・池田大作

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青春の戦い、青春の建設 今は「建設」の時!一生の土台を作れ

「青春対話」(池田大作全集第64巻)

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17  「我が宝剣」を磨け!「私はこれで戦う!」と
 池田 「自分は、必ず最後は勝ってみせる」という決心をもった人は強い。
 人間には古来、自分自身しか持っていない「宝の剣」がある。その剣で悪を切り、善を守る。正義のために、常に磨きながら、その剣さえ持っていれば、一生涯、負けることはない。必ず勝てる。不思議の剣を自分自身の中に持っている。
 その剣は、自分自身の心です。決心です。仏法でも、妙法を信ずる「強き心」を仏界という。剣は、抜かなければ勝てない。磨かなければ錆びる。自分自身の剣を磨かず、抜かない人は、常に何かにおびえ、こそこそと人生を送っていくことになる。剣は心。剣は人格です。剣を磨くのは、勉学であり、友情であり、鍛えです。
18  迫害されている人こそ偉大
 池田 人を傷つける剣は、邪剣です。人を救う剣は宝剣です。
 私は、南ア(南アフリカ共和国)のマンデラ大統領と二度、お会いしました(一九九〇年十月、九七年七月)。二十七年半――一万日の投獄に耐え、残酷なアパルトヘイト(有色人種の隔離政策)を打ち破った「人権の巌窟王」です。
 長い間、ひどい差別が続いていた。黒人にとって、白人専用バスに乗るのは犯罪、白人専用の水飲み場を使うのは犯罪、白人専用の海岸を歩くのは犯罪、午後十一時以降に家の外にいるのは犯罪、失業しているのは犯罪、ある特定の地区に住むのは犯罪だった。黒人は「人間」として扱われていなかった。マンデラ氏は、いたる所で、何百もの侮蔑を見た。何百もの屈辱を味わった。
 「何ということだ」「人間は人間だ!人間を差別するなんて、絶対に許せない!」。この正義の怒りが、マンデラ氏の「宝剣」となったのです。
 「こんな狂った社会は、断じて変えてみせる!」と立ち上がったのです。そして地獄のような牢獄でも絶対に屈することなく、ついに三百四十年も続いた差別を打ち砕いたのです。迫害されている人が偉大なのです。バカにされ、踏みつけにされてきたマンデラ大統領は今、世界中から尊敬されています。
19  「諸君の成長と活躍こそ私の勝利」
 ―― 私たちも負けないで戦っていきます。人権を平気で踏みにじる日本を変えていきます。
 池田 私は言葉は信じない。行動をじっと見ています。
 さっき、スポーツ選手を理想としている人が多いと聞きましたが、ヘビー級ボクシングの有名なチャンピオンにジャック・デンプシーがいます。
 ―― 伝説的なハード・パンチャーですね。
 池田 彼がボクサーになろうと思ったのは、お母さんが汽車の車掌にいじめられたからだという。
 彼が八歳の時、お母さんと汽車に乗っていた。お母さんは病気だった。自分の分だけの汽車賃しか持っていなかった。車掌は、子どもの分も払わないと引きずりおろすという。病気なんです、許してくださいと何度頼んでも、規則は規則だと、どなられた。
 その時は、見かねた親切な人が助けてくれたようだが、ジャック少年は、その時、「大人になったら、絶対にお母さんに、こんなみじめな思いをさせないぞ」と誓ったのです。そして猛練習の結果、「世界一強い男」になった。(ジャック・デンプシー『拳聖デンプシーの生涯』田中昌太郎訳、ベースホール・マガジン社、参照)
 これも彼なりの「剣」です。「剣」を鍛え抜いたのです。
 正義の「宝剣」を持った人は、一生涯、多くの天人から守られるでしょう。「邪剣」を握った人は、必ず地獄の鎖につながれるでしょう。
 私も、諸君の活躍こそ私の勝利と決めています。諸君が人間として偉くなり、地域で社会で世界で、思う存分に活躍し、輝いていくことが、私の喜びなのです。
 それまで、どんないわれなき非難があろうと、そんなことは眼中にありません。
 「我が宝剣」を磨け! 「私は、必ず勝ってみせる」と立て!
 私は万感の思いをもって、諸君にそう叫んでおきます。

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