Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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3 使命が育む「人生の喜び」
「人間と文化の虹の架け橋」趙文富(池田大作全集第112巻)
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学生との出会いは一瞬一瞬が勝負
趙
戸田会長は、すばらしい教師に恵まれておられたのですね。
私も微力ではありますが、学生たちの未来と幸福を願って大学教育に取り組んできました。
なかでも、思い出深いのは、韓国で民主化を求める学生運動が高まった一九八七年ごろのことです。
当時、私はよく、周囲の反対を押し切って、立てこもっている学生たちのもとへ対話に行ったものでした。また学生たちと一緒に、人気のない海辺へ行き、涙を流して夜通し語り明かしたこともありました。
学生たちから逃げようとする教授も多くいました。しかし私は、秘書にも「どんな時でも、どんな人でも、学生は部屋に通すように」と厳命し、学生に必ず会うようにしていたのです。
ある時、私のもとを訪ねた学生に、「君は『学問よりも革命だ』と言うが、学生時代に何が革命だ。もっと実力をつけて、社会に出てから必要な革命をすべきじゃないのか。そのために、今は、もっと勉強すべきだ」と話したこともあります。
その彼が、後日、司法試験に合格したことを報告に来た時は、本当にうれしく思いました。
その後、彼は判事になり、現在は済州島で弁護士として活躍しています。
池田
すばらしいお話です。胸を打たれました。
「学生第一」の行動といっても、当たり前のようであって、なかなかできることではありません。
趙博士のような信念と慈愛こそ、今の教育界に強く求められるものです。
先日(二〇〇四年一月八日)、創価大学でも、新しい年の授業がスタートしました。この日、私は、構内の本部棟を訪れ、教室の四人掛けの椅子に座り、学生と肩を並べて、しばし、「憲法」の授業に参加しました。
機会のあるかぎり、少しでも直接、学生と触れ合い、見守っていきたいと願っています。学生との出会いは、一瞬一瞬が勝負です。たとえ一瞬でも、こちらが真剣であれば、必ず伝わりますし、何か希望の励ましを刻むことができるものです。
参観を終えて、私は、次の和歌など五首を、創大生、短大生に詠み贈りました。
学びゆけ
勝利の人生
飾るため
学生博士の
求道 忘れず
寒風に
凛々しき君らの
瞳かな
父母 見つめむ
学友 続かむ
趙
学生たちは、さぞかし喜んだのではないでしょうか。創大生は本当に幸せです。池田先生の温もりに包まれているのですから。
池田
ありがとうございます。
過日(二〇〇三年十一月二十二日)、お会いしたそンゴルの若きリーダーのエンフバヤル首相も、教育の重要性に触れながら、こう述懐されていました。
「私は、小さいころに教わった恩師の教えを心に留めています。残念ながら、すでに亡くなってしまいましたが、その恩師は、私にこう教えてくれました。『人間は道をつくらなくてはいけない。それが何であれ、何かの分野で道をつくるのだ』と。この恩師の教えを、いつも思い起こしながら、私は生きています」と。
思うに、教育の真価とは、時を超えて、心に生き続け、支えとなる”心棒”を育んでいくことにあるといえましょう。
そして、人間がなすことのできる最も意義深い人類の平和への「道づくり」は、何と言っても教育です。この教育の力で、二十一世紀の世界を、平和と幸福の光で輝かせていきたいものです。
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