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創価学園卒業式(東京40回・関西35回… アラグア・ビセンテナリア大学名誉教授称号授与式

2010.3.16 スピーチ(聖教新聞2010年上)

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7  学園生こそ誇り
 気高き教育哲学者であられる総長が命を賭して創立された貴大学は、「創造の力を育む大学」として輝きわたる名門校であります。
 この貴大学から賜った最大の栄誉を、私と妻は、恩師である牧口先生、戸田先生に捧げさせていただきたい。
 そして、愛する学園生が「創造の力」を未来に発揮しゆく象徴として拝受させていただきます。総長、誠に誠に、ありがとうございました。
 大学、学園をつくり、発展させることが、いかに困難の連続であるか。総長は、その道を歩んでこられました。
 この苦労は、創立者でなければ分からないでしょう。まさに死闘です。
 創立者でもあられる総長が、最も誇りとしておられることは、いったい何か。
 それは、卒業生が、社会の発展のため、大活躍していることです。
 私の最高の誇りも学園生です。君たちが勝利するためならば、私は、いかなる労苦も惜しみません。
 どうか、立派になってもらいたい。ご両親を喜ばせ、そして日本中をびっくりさせるくらいに、偉くなってもらいたい。
 きょうの誓いを一生、忘れてはいけない。頼むよ!〈「ハイ」と決意の声〉
8  努力と一念で
 グアリスマ総長が尊敬してやまない、貴国の平和の指導者ウスラル・ピエトリ先生は、言われました。
 「人生は、無限の可能性に満ちている」
 「未来は、待つべきものではなく、自分自身が選びとり、建設するものなのである」と。
 若き君たちの生命には、宇宙大の可能性がある。人を羨んだり妬んだりする必要など、まったくない。
 努力です。一念です。絶対に勝てないわけがない。まずは勉強で立派な成績を残して、お父さん、お母さんに喜んでもらうことだ。
 自分らしく、これからの挑戦で、未来の勝利を必ず創っていくのです。その心で進むのが真の勝利者です。幸福者です。頑張ってください!〈「ハイ!」と元気な返事〉
 君たちが打って出る社会は、激しく揺れ動いている。嘘つきや傲慢な人間もいる。それが現実だ。
 時には、いやになることも、たじろぐこともあるかもしれない。しかし、ヨーロッパで学んだグアリスマ総長が尊敬する、ドイツの大哲学者カントは叫びました。
 「人間の内には、あらゆる禍いに立ち向かう心の能力がある」(御子柴善之訳「コリンズ道徳哲学」、『カント全集20』所収、岩波書店)
 「困難な取り組みに対しても決然として力強くなくてはならない」(同)
 この言葉を、きょうは皆さんに贈りたい。
 牧口先生が平和のために投獄された獄中で、最後まで学んでおられたのも、このカントです。
 価値創造のために一番、大切なものは何か。それは「勇気」です。悪と戦い、正しいことをやり抜く「勇気」です。幸福をつかみ取る「勇気」です。
 意気地なしでは幸福にはなれない。人生に勝つことはできない。
 臆病者には何も創造できません。どんなに口がうまくても、嘘つきであったり、行動しない人は、何も価値を創造することはできない。
 貴大学が立つアラグア州の人々は“我らの美しき旗は勇気なり”と胸を張ってこられました。
9  師匠への報恩
 私も、どんなに迫害されようとも、師匠である戸田先生から託された「勇気の旗」を高らかに掲げて、一切を勝ち抜いてきました。
 世界中で勝利の証しを打ち立ててきました。私は一庶民です。一人の平凡な青年として立ち上がり、すべてに勝ってきました。
 この勇気の三色旗を、私はきょう、学園生の一人一人に託し、差し上げたいのです。
 今は経済的に大変でも、苦しくても、最後の最後に勝てばいい。
 いずれは偉くなって、お父さん、お母さんに恩返しをしてもらいたい。楽をさせてあげてほしい。
 「将来は、大きい家を建てて、住んでもらうからね」──そう言えるくらいの皆さんになってもらいたい。
 私も親孝行をしました。実家は海苔の製造業を営んでおり、真冬の朝早くから起きて、仕事を手伝ったこともある。
 大人になってからも、親を大事にしました。何の悔いもありません。
 また私は師匠である戸田先生に対しても尽くし抜きました。先生の事業が破綻した時は、朝から晩まで働きました。夜遅くなってしまい、先生のお宅に泊めていただいたこともある。
 大変な日々でした。でも、師匠がいるということが、どれほど幸せなことか。私は、そのことを深く感じていました。
 体が弱く、30歳まで生きられないといわれた私が、師匠の後を継ぎ、世界を舞台に歴史を残すことができた。
 私は師匠への報恩という点でも、何の悔いもない。
 皆さんも、こういう人生を歩んでもらいたいのです。
10  人間革命の歴史を綴れ
 関西校には、中国・冰心ひょうしん文学館の、お懐かしい王館長先生ご夫妻がお越しくださいました。
 誠にありがとうございます。
 私と妻も敬愛してやまぬ「中国文学の母」謝冰心しゃ・ひょうしん先生は、言われました。
 「咲き誇る花に対して、人々はただ、その鮮やかな姿に感嘆するだけだ。
 しかし、その花の芽は、奮闘の涙の泉に浸って育ったのだ」と。
 君たちも今は焦る必要はありません。
 若いのです。
 少しぐらい、成績が悪い時があっても、大丈夫だ。
 忍耐強く、わが道を歩み、親孝行していけばいいのです。
 そして、根を深く張って、幸福と勝利へ、自らの人間革命の歴史を綴っていくのです。
 いいですね!〈「ハイ!」と元気な返事が〉
 皆さんの時代です。
 桜も厳しい冬を耐え、時を待って咲き薫る。
 青春時代も同じです。勉強し、苦労し、時を待って偉くなる。幸福になる。
 君たちも「今に見よ!」と一日また一日、成長し、自分自身を革命しながら、勝利の“学園桜”を断固として咲かせていってください。
 皆さんの勝利を、私は祈り信じています。頑張ってください!
11  粘り勝て!
 11年前、私は皆さん方の創立者として、貴国ベネズエラから、栄えある「アンドレス・ベージョ最高位勲章」を叙勲いただきました。
 この文化の勲章に、その名前が冠された大教育者ベージョ先生の獅子吼を、愛する君たちに贈りたい。
 ベージョ先生は叫ばれました。
 「自分自身が向上すれば、より良き社会に貢献できる。
 人々の幸福に貢献すれば、自分自身も幸福になれる」
 その通りの人生を歩んでこられた、英知光る総長ご夫妻に、ここで、全員で大拍手を贈りましょう!(大柏手)
 総長ご夫妻はじめ世界の知性が、学園生に絶大なる期待を寄せてくださっております。
 人類の幸福のため、永遠の平和のため、大きな大きな強く明るい心で、使命と栄光の青春を、勝ち進んでいってください。
 皆、一度しかない人生です。勝利して、お父さん、お母さんに喜んでもらうのです。
 中国の謝冰心先生は“真の友は、わが心の空を彩る、かけがえのない星である”と言われました。
 君たちは、世界一の学園の友情を誇りとしながら、21世紀の天空に「希望」と「正義」と「勝利」の金の星を堂々と輝かせていってください!
 勝ちましょう! 粘り勝ちましょう!
 そして、人生を楽しんで、愉快に、お父さん、お母さん、きょうだいを包んでいってください。
 一人、立派な人が立てば、皆が幸福になります。
 頼むよ!〈「ハイ!」と元気な返事が〉
 結びに、敬愛する貴大学の限りない大発展をお祈り申し上げ、私と妻の御礼とさせていただきます。
 ベネズエラ、万歳! 学園生、万歳!

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