Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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まえがき
池田大作
「東洋の智慧を語る」季羡林/蒋忠新(池田大作全集第111巻)
前後
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ここで、人間の善性の開発のために、中国哲学史に視野を転じ、「性善説」「性悪説
」を取り上げて、「人間の本性」について考察しました(第五章)。
さらに、東洋と西洋の文化の特質を比較し(第六章)、東洋文化の精髄をなす「天人合一」思想や「依正不二」論について論究しあいました(第七章)。
最後に、二十一世紀の人類の未来を開くにあたっての、「東洋の智慧」の貢献について、具体的に意見を出しあっております(第八章)。
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このような語らいを通して、東洋思想に内包されていた「結合のエネルギー」を開発する叡智が次々と洞察され、そこに現代的な知性の光があてられていったのであります。
『法華経』の統合的精神である「一念三千」論、中国思想の精髄としての「天人合一」の思想、インド哲学の究極である「梵我一如」の思想ーーこれらは、まさに、分断と分裂を重ねる現代文明の「闇」を照らしゆく、珠玉のごとき「東洋の智慧」の結晶であります。
私は、てい談者の一人として、東洋の叡智が、万物の共生、共存を志向する「平和と希望の世紀」に、その雄姿を見せゆくであろう「人類文明」の導きの”光”となることを希求しております。
季先生も言及されているように、人類が待望する未来は、仏教で「仏国土」と表現し、また、儒教では「大同の世界」として描いてきた世界であります。
本年は、日中国交正常化三十周年の住節にあたります。周恩来総理は、だれよりも深く、強く、日中の友好を願っておられました。私は、日中の学術・文化交流の一つの成果として、本書がこの記念すべきときに出版されることを、周総理も喜んでくださっているにちがいないと、確信しております。
両先生が、人類の平和と繁栄、そして日中友好の増進のため、さらにご健勝で活躍されますことを、お祈り申し上げます。
二〇〇二年八月二十四日
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