Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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宇宙と人生  

「希望対話」(池田大作全集第65巻)

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7  太陽は地球の100万倍の体積
 池田 ためしに、宇宙が、どれくらい大きいか、ちょっとだけ見てみよう。
 いちばん身近な「太陽」の大きさは地球の何倍ですか?
 ―― たしか、直径が地球の百倍以上あります。
 池田 そうだね。直径が百倍とすると、体積は、百かける百かける百で「百万倍」。もしも太陽を「サッカーボール」の大きさだとすると、地球は直径二ミリ。それこそ「塵」くらいの大きさになります。そして、そのサッカーボールまで、だいたい、二十五メートル離れていることになる。
 ―― つまり、こういうことでしょうか。学校の「二十五メートルのプール」の端と端に「サッカーボール大の太陽」と「ニミリの地球」が浮かんでいるところを想像すればいいと。
 池田 そのとおり。
 ―― ものすごく離れていますね!
 池田 近いほうだよ。星と星の間は、ものすごく離れている。
 ―― 宇宙は「すかすか」なんですね。
 池田 そう。しかし、いたるところ、生命に満ちているんだ。
 さて、太陽までは、光の速さで、八分二十秒ほどかかる。光の速さは?
 ―― 秒速が三十万キロメートルです。一秒間で「地球を七回り半」します。
 池田 そうだね。そんなに足の速い光が、太陽まで八分もかかる。「光が八分かかる」ということは、私たちが見ている太陽は、いつでも「八分前の太陽」だということです。それでも、宇宙では「ほんの庭先」にすぎない。
8  いちばん近い恒星まで何年かかる?
 池田 さっき、この銀河系で「自分で光っている星(恒星)は数千億個と言ったが、そのうち、肉眼で見えて、太陽系からいちばん近いのは、有名な「ケンタウルス座のα星」です。北半球では見えにくいんだが。
 「α星」までは、たしか四光年以上ある(四・四光年)。「光年」というのは、光が一年かかって進む距離だから、光の速さで四年以上かかるわけです。
 太陽を「サッカーボール」にして、東京の真ん中に置く。すると、この星は、どのへんになるだろう? 何と「α星」は、オーストラリアにあることになる。
 ―― もしも、そこに宇宙人がいたとしても、とても会いには行けませんね。
 (「一時間で地球を一周できるロケット」で行っても、約十二万年かかる)
 かりに電波で話せたとしても、こちらの「こんにちは」という声が届くのに四年以上かかるわけですね。その返事でまた四年。
 池田 それでも、宇宙ではまだ「お隣さん」です。
 このさいだから、もっと先まで考えてみよう。
 私たちの太陽系は、天の川銀河のなかにある。その天の川銀河は、アンドロメダ銀河や他の銀河といっしょに、「局所銀河群」という「銀河の集団」をつくっています。これが、ほかの「銀河の集団」といっしょに、「おとめ座超銀河団(局所超銀河団)」という、もっと大きなかたまりをつくっている。
 ―― 「超銀河団」ですか……。
 池田 そういう「超銀河団」が、いくつも集まって、この「宇宙」になっている。だから、もしも宇宙郵便局があって、だれかが手紙をくれるとすると、住所は、どうなるかな?
 ―― ええっと、おとめ座超銀河団「国」―局所銀河群「県」―天の川銀河「市(郡)―太陽系「町(村)でしょうか。
 池田 地球は、太陽から三番目の惑星だから、「三丁目」地球、日本「番地」。(笑い)
 ―― 地球は、小さな小さな「村」ですらないのですね。
 とすると、地上で戦争しているなんて、本当に「お隣どうしのけんか」ですね。
9  「宇宙からは国境なんか見えない」
 地球は、かけがえのない「共通の家」
 池田 宇宙の話はおもしろくて、きりがないんだが、私がいちばん言いたいことは、みなさんは「地球人」として「地球市民」として生きてほしいということです。
 私は、たくさんの宇宙飛行士に会ってきました。だれもが、宇宙から地球を見ると、その美しさに感動すると言っていた。「かけがえのない、ふるさと」だと実感するそうだ。「宇宙からは、人間が引いた国境なんか見えない」とも言われていた。
 そして、美しいと同時に、地球が人間によって、ものすごく汚染されているのが、宇宙から見ると、よくわかると言っていました。「本当に悲しい」と嘆いていた。
 だから、二十一世紀は、人類みんなが「同じ地球市民なんだ」という意識にならなければ大変です。みんなで、「共通の家」である地球を大事に守らなければならない。
10  「科学」と「詩」
 池田 そもそも、だれもが「宇宙市民」です。科学的に見ても、仏法的に見ても。
 今の宇宙論では、多くの人が、宇宙は百五十億年から二百億年前の大爆発でできたと考えている。
 ―― 「ビッグバン」説ですね。
 池田 だから、宇宙の全部が「もと」は、一つです。星も、人も、鳥も、花も、石も、雲も、いっさいが、同じ一つの爆発から生まれた「きょうだい」ということになる。
 ―― 詩的ですね!
 池田 科学と詩は、一致するのです。もちろん、「ビッグバン」説には異論もある。また、初めの爆発から、今もどんどん膨張しているが、そのうち、また縮まり始めるという人もいる。縮まって、「それで終わり」と考える人もいるし、また膨張を始めて「膨張と収縮を繰り返す」と考える人もいる。それから、こうやって膨張している宇宙自体が、もっと大きな宇宙の「泡」の一つのようなものかもしれないという人もいる。
 真実は将来、みんながさらに探究してほしい。深い哲学をもっていれば、ものを「見る目」が変わる。見る目が変われば、宇宙の「見え方」も変わるでしょう。
11  この地球、この今を、選んで生まれた
 地球に生まれたのは「偶然」ではない
 池田 今、確かなのは、この広大な宇宙の中で、みんなは、こうして地球を選んで、しかも、この「瞬間」ともいうべき今、いっしょに生まれてきたという事実です。
 二百億年に対して、人の寿命は、せいぜい百年。「一瞬」です。その一瞬を選んで、同じ地球に「生」を受けた。しかも、同じ「人間」として!
 心を静めて考えれば、「偶然」の一言ですませるには、あまりにも厳粛な事実です。そのことを思えば、絶対に、友だちをいじめるなんてことがあってはならない。また、自分のかけがえのない一生を、むだにしてはいけない。必ず何か使命があったから、この地球にやってきたのです。
 ―― 宇宙のどこからか、やってきた……。
12  体は「星のかけら」で構成!
 池田 そうです。生命は永遠です。宇宙のどこかから、この地球を選び、この今を選んで、やってきたのです。自分で選んだのです。それを忘れているだけだ。みんな「宇宙の旅人」なんです。
 人体は、「星の中で作られ、星が爆発して死ぬ時に宇宙に撒き散らされた元素」からできている。「われわれの体は、星のかけらでできている」のです。
 だれもが「星の子」です。「宇宙の王子」であり「宇宙の王女」です。みんなを生みだすために、宇宙が力を合わせて、生んだのです。
 宇宙人は、どこか遠くにいるのではない。みんな自身がそうなんです。
 有名なカール・セーガン博士。私もお会いしたが、博士は、お子さんが生まれる時、こう言われたそうだ。″遠いはるかな宇宙から、たった一人で、孤独な旅を続けてきた『宇宙の使者』を敬意をもって迎えてあげたい″と。
 ―― すばらしい言葉ですね。
 池田 だれもが、そうなんだよ。仏法も、それを教えています。
13  地球人として生きよう――星空を仰いで!!
 自分の尊さを「自覚」しよう!
 池田 インドの釈尊が生まれた時、生まれてすぐ「天上でも地上でも、私ほど尊い存在はない」と宣言したという伝説がある。これは、決して傲慢な言葉ではない。広げて言えば、だれもが「天上でも地上でも、これほど尊い存在はない」のです。すべての人が「宇宙の中で、かけがえのない存在」です。それを教えていると考えていい。
 では、釈尊と、ふつうの人の違いは何か。その「自分の尊さ」を「自覚」していたかどうかです。それだけの違いです。それを自覚し、実際にその力を引き出すための仏法の信仰です。
 だれもが、宇宙の無限の力を秘めた「小宇宙」です。だから、あの「太陽」も、自分の中にある。自分の中に、輝く「銀河」もある。星々をわたりゆく無数の光が、この胸の中にある。「内なる宇宙」も無限です。
 だから、私は言っておきたい。どんな悩みがあっても、君は負けるな! どんな障害があっても、夢をあきらめるな! 自分の中の「太陽」を輝かせて生きぬこう!
 そして、みんなの力で、二十一世紀の地球」を、どこかの宇宙人が見ても「ああすばらしいな!」「地球人のように生きたいな!」と言われるような星にしてほしい、と。

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