Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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序
季羨林
「東洋の智慧を語る」季羡林/蒋忠新(池田大作全集第111巻)
前後
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もし、私が本書に自分を重ね合わせるととをお許し願えるならば、これはまさに私の主張そのものであります。私のこの主張は、過去七、八年にわたって、多くの論文や発言、さらには厳粛で盛大な国際会議のなかで、公開し、発表してきたものです。本書の中にもふれられているとおりであります。
世界文化の中心が東洋に向かって推移するのに、どのくらいの時間を要するかという問題について、今世紀にはその兆しが現れるであろうというのが私の考えです。『文明と経済の衝突』の作者の予言によれば、それは二十二世紀であると言います。この問題については、論争しようがないので、歴史にその結論をゆだねることにしました。
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現在、世界のある大国は、右手に警棒を持ち、左手に原子爆弾をのせ、他の国を「悪の枢軸国」などと指摘して責めているのです。天下唯我独尊であります。平和を愛する世界市民には、それはまるで道化役者のように映っているのです。
ここで私は東西の諺をそれぞれ一句ずつ、つつしんでこの国の人民におくります。中国の古い言葉「多くの不義を行えば必ずみずから
斃
たお
る」(多くの不正を行えば必ず自滅する)、そして、西洋の諺「神がだれかを滅ぼそうとすれば、必ず先にそのだれかを狂わせる」です。これらは、長年にわたる経験にもとづく結論であり、絶対に間違いないものであります。
先の言葉は意味もなく発したわけでは決してないのです。これらは東西文化の盛衰と関係があるからこそ、思わず心が高ぶって発したわけであります。私は、その大国のなかでも、真に国を愛し、平和を愛する人民は、それらの言葉に反発を感じることはないであろうと信じています。世界中どの国であれ、国を愛し、平和を愛する人民の心と心は、つねに相通じているものです。
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振り返って、ふたたびわれわれの「てい談」を読むと、三人の作者のうち、一人は日本人、二人は中国人です。国籍は異なるが、志は同じであります。われわれはともに世界人民が平和、幸福で、そこには理解と友情だけがあり、憎しみや対立がないことを願っています。
仏教では「浄土」と説き、儒教では「大同の世界」と説いております。それぞれ名異実同で、手段は異なっても目的は同じなのです。私は、われわれのこの一書がその分野で貢献してくれるであろうことを祈っております。善哉! 善哉!
二〇〇二年六月七日
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