Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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イギリス広布28周年代表者会議 「蘇生」と「歓喜」と「希望」の前進を

1989.5.24 スピーチ(1988.11〜)(池田大作全集第72巻)

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5  「よき友」はみな善知識
 なお大聖人は、ここで「善知識がいかに大切であるか」について、示しておられる。
 妙法が根本であることは当然である。その上で、正法に導く善知識がなければ、成仏は難しい。現実的には不可能である。
 私どもの「励まし合いの同志」、そして正しき信仰の軌道にのるための「広宣流布の組織」は、この大切な善知識の存在なのである。
 誠実な我が「同信の友」は全員が互いに善知識である。機構上の役職の違いや先輩・後輩の関係はあっても、御本尊の前には、まったく平等である。だれが上とか下とかということは絶対にない。
 それぞれの立場で、互いに成長を祈り、仲良く励まし合っていく。固く手を取り合って「永遠の幸福への道」に人々をいざない、ともに無量の功徳を受けていく。善知識とは本来、「よき友」を意味するが、私どもは互いに、そうした真実の「よき友」でありたい。
6  また、その上で、リーダーには、やはり大きな責任がある。皆が楽しく、伸び伸びと信仰し、活躍できるように、心をくだき、尽くしていかねばならない。
 いずこの世界にあっても、リーダーには、ともすれば皆を上から規律でしばろうとする傾向性がある。しかし、仏法の世界は、そうであってはならないと思う。
 とくに、このイギリスは「レディーとジェントルマン」の国で、何ごともきちっとしている。その伝統は素晴らしい。しかし、たとえば、どんなに暑くても窓も開けないで、汗を流しながら我慢しているというのでは価値的ではない。何ごとも、より快適にし、皆が喜びと安心をもって活動できるようにしていくことが価値創造に通じる。形式ではなく、その場、その時に応じて自在に知恵を使っていけばよいのである。
 また、リーダーが、そのように皆のために真剣に心を配っていく時、リーダー自身の生命におおいなる成長の広がりがもたらされていく。
7  大切な信心の「心」
 大切なのは「心」である。勤行・唱題も子供が親を慕うような、ありのままの自然な心、まっすぐな祈りと願いが、そのまま御本尊に通じ、感応していく。
 例えていえば、家庭であれば、一言「グッド・モーニング」「グッド・イブニング」等と、あいさつを交わすだけで、心が通じる。
 そのように、たとえ一遍の題目であっても、そこに込められた「仏子」である私どもの信心の「心」は、御本尊に必ず通じていく。まして真剣に唱題を重ね、勤行していく時、その功徳は無量である。
 ゆえに、必要以上に形式にとらわれて、窮屈きゅうくつな信仰生活になることは賢明ではない。
 疲れていて早く休んだほうがよい場合や、どうしても時間がない場合もある。その時は方便品・自我偈じがげのみの勤行でも、また唱題だけであっても、決して、「罰を与えられないか」等と心配する必要はない。
 もちろん、仏道修行であるゆえに、″さぼってもよい″と言っているわけではない。要は、少しでも多く、また深く、御本尊を拝し、唱題していこうという「信心」があればよいのである。その「心」は必ず、形となって現れ、真剣な実践の姿となっていく。
 ともあれ、イギリスの皆さま方は、正しき信心の王者の道を、おおらかに、朗らかに、悠々ゆうゆうと前進していっていただきたい。
8  さて、恩師・戸田先生は、あるとき、このように言われていた。
 ″大木になる木も、一日や一月ではたいして伸びることはない。しかし、長い目で見ると、いつとはなしに堂々たる大樹に育っている。これと同様に、大聖人が仰せのごとく末法の功徳は冥益みょうやくである。信心も、一つの節として七年くらいは続けてみなければわからない。本当によくなってくるのは十五年あたりからである″――と。
 子供も、最初から大きいわけではない。乳幼児から次第に成長し、十五歳くらいになると大人と変わらないくらいに大きくなる。妙法の功徳も、また同様である。
 着実に福運を積み、自然のうちに生活も向上し、幸福に満ちた人生が築かれていく――これが冥益である。
 また、一生成仏のための信心である。ゆえに、絶対にあせる必要はない。着実に、たゆみなく、持続していくことが大事なのである。長い目で見ていけば、たとえ途中で、苦難の山やあらしがあったとしても必ず幸福の軌道に入っていくことは間違いない。それを確信して、自分らしく堅実な前進をお願いしたい。
 十五年といえば、コーストン理事長が、広宣流布の使命を胸に秘めてイギリスに帰国して今年で十五年。これも不思議な一つの節目といってよい。コーストン理事長は、この十五年間、イギリスをみずからの広布の舞台として、見事な信仰の実証を示された。まことに立派な″模範のリーダー″である。
 どうか皆さま方も、それぞれの使命の舞台にあって、三世にえある幸福の人生を築き、正法正義の輝く証明者としての道を歩んでいただきたい。
 ともあれ、ここ「タプロー・コート」を中心として、二十一世紀のイギリス広布の土台を、皆さま方の力で築き上げていただきたい。そして、楽しく、永遠の思い出を刻み、永遠の福徳を積みながら、この「哲学の城」に世界一の常楽の″人華にんげの園″を爛漫らんまんと飾りゆかれんことを念願する。皆さま方の、ますますのご多幸とご長寿、ご活躍を心から祈って、私のスピーチを終えたい。

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