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日蓮大聖人・池田大作

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広布第2幕第9回全国青年部幹部会 全国学生部幹部会

2008.6.7 スピーチ(聖教新聞2008年下)

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21  希望を胸に進もう!
 アメリカの人権の指導者・キング博士は、高らかに宣言した。
 「さあ始めよう。新しい世界を築くための長く苦難に満ちた、しかし美しい闘いに我らの身を捧げよう」(鈴木有郷訳「ベトナムを越えて」、『私には夢がある M・L・キング説教・講演集』所収、新教出版社)
 素晴らしい言葉だ。胸から離れない。キング博士の関係者の方々とは、今も、おつきあいさせていただいている。
 そして、ロシアの文豪ゴーリキー。
 「諸君のまえには『古き世界との訣別』および新しきものの創造という、完全に明瞭なそして偉大な仕事が立っている」(石山正三・和久利誓一訳「評論」、『ゴーリキー選集5』所収、青木書店)
 青年の力で、新しき人間主義の世界を創っていただきたい。
 頼むよ!〈「ハイ!」と力強い返事が〉
22  正義と真理が人間の第一の義務
 再び、フランスの思想家ルソーの英知の言葉に学びたい。
 先ほど紹介した、名作『エミール』には、こうある。
 「人類を構成しているのは民衆だ。民衆でないものはごくわずかなものなのだ」
 「いちばん人数の多い身分こそいちばん尊敬にあたいするのだ」(ともに今野一雄訳『エミール』岩波文庫)
 民衆が大事にされる時代──一歩一歩、そうなりつつある。いな、そうしなければならない。
 さらにルソーは、次のような真理の言葉を記している。
 「正義の人は悪人をけっして許すことができない」(山路昭訳「ボルド氏への最後の回答」、『ルソー全集第4巻』所収、白水社)
 悪とは絶対に妥協しないことだ。そうでなければ、バカにされ、そのうえ、悪い方向に引っ張られる。情けないことだ。悪を鋭く見破るのだ。
 「悪人に対して恐るべき人間になりえないとしたら、どうして彼は善良な人間でありえようか」(同)
 これも、ルソーが書き残した箴言である。
 「わたしは、真理のために受難するということほど偉大で美しいことを知らない」(桑原武夫編『ルソー』岩波新書)
 妙法のため、大善のために難を受ける。これ以上に偉大なことはない。
 「正義と真理、これこそ人間の第一の義務である」(西川長夫訳「演劇に関するダランベール氏への手紙」、『ルソー全集第8巻』所収、白水社)
 その通りだ。仏法に通じる。これを胸に刻んで私は生きてきた。
23  『エミール』で、ルソーは、女性を尊ぶ重要性を指摘している。
 「女性がその影響力を失っている時代、女性の判定が男性になにももたらさなくなっている時代は不幸なことよ。それは堕落の最後の段階だ。よい習俗をたもっていた民族はすべて女性を尊敬していた」「大きな変革はすべて女性から起こった」(ともに前掲『エミール』)
 女性が輝く世界──そうなるように、今、私は全力を挙げている。
 どうしても日本は、島国根性で、男性が威張る傾向がある。命令ばかりで、自分は何もせず、女性に押しつける──そんな男性は最低だ。リーダー失格である。
 男性は、女性に最敬礼して、女性を尊重すべきであると思うが、どうだろうか。
 これを、麗しい伝統にしてまいりたい。
24  ルソーは、こうも述べている。
 「傲慢さの生む錯覚は現代の最大の悪の源泉である」(樋口謹一訳「エミール(下)」、『ルソー全集第7巻』所収、白水社)
 傲慢な人間は、すぐに“自分は偉くなった”と勘違いする。これまで反逆していった人間は皆、そうだった。
 「彼らはわたしの生命をうばうことはできるが、わたしの自由をうばうことはできない。彼らがどんなことをしようと、彼らの束縛、彼らの牢獄のなかでも、わたしは自由を保持するだろう」(前掲『ルソー』)
 どんな状況にあっても私の心は自由だ!──これが、ルソーの大確信であった。
 私がお会いし、親交を結んだロシアの文豪ショーロホフ氏は、「民衆は征服することはできない」(横田瑞穂訳『静かかなドン』岩波文庫)と結論した。
 民衆が一番強い。どんな権力者も、民衆にはかなわない。
 この民衆を育てたのが、仏法であり、日蓮大聖人である。仏意仏勅の創価学会なのだ。
 戦おう! 偉ぶり威張る人間を、見おろして生きよう!〈「ハイ!」と力強い返事が〉
 きょうは長時間、ありがとう!

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