Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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”一冊の御書”に学ぶ
「池田大作講演集」第3巻
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これはさてをきぬ日蓮を信ずるやうなりし者どもが日蓮が
か
斯
くなれば疑ををこして法華経をすつるのみならずかへりて日蓮を教訓して我賢しと思はん
僻人
びゃくにん
等が念仏者よりも久く阿鼻地獄にあらん事不便とも申す計りなし、修羅が仏は十八界我は十九界と云ひ外道が云く仏は一究竟道我は九十五究竟道と云いしが如く日蓮御房は師匠にておはせども余に
こは
剛
し我等は
やは
柔
らかに法華経を弘むべしと云んは
螢火
ほたるび
が日月をわらひ
蟻塚
ありづか
が
華山
かざん
を下し井江が河海をあなづり
烏鵲
かささぎ
が
鸞鳳
らんほう
をわらふなるべしわらふなるべし
3
戸田城聖の微笑が、伸一の瞳に素早く入った。戸田城聖の博学は有名である。特に御書の拝読の鋭さは、完璧であったことはいうまでもない。立正安国論、開目抄、観心本尊抄、文段、六巻抄、御義口伝等々、悟達の境涯よりの世界唯一の大学者であったことを、私は信ずる。その中にあって、入信まもなく、初めて出席した総会(教育会館)での開目抄下の一節の講演が、私の耳朶を劈いたことが今もって忘れられない。
4
詮ずるところは天もすて給え諸難にもあえ身命を期とせん、身子が六十劫の菩薩の行を退せし乞眼の婆羅門の責を堪えざるゆへ、久遠大通の者の三五の塵をふる悪知識に値うゆへなり、善に付け悪につけ法華経をすつるは地獄の業なるべし、大願を立てん日本国の位をゆづらむ、法華経をすてて観経等について後生を
ご
期
せよ、父母の頸を刎ん念仏申さずば、なんどの種種の大難・出来すとも智者に我義やぶられずば用いじとなり、其の外の大難・風の前の塵なるべし、我日本の柱とならむ我日本の眼目とならむ我日本の大船とならむ等とちかいし願やぶるべからず
その時の伸一の全生命には、大風と津波が、一時に難いかかったような感動が巻き起こた。しかしやがて、新生の静寂な大地と、太陽光線が描き出されていった。
5
一日中曇天。雨が降るかなと思ったが、降らなかった。少々、身体がだるい。二階の夜の書斎は、膝掛けがないと寒い。執筆の合い間に、横になりながらスタンダールのこんな言葉を思い出した。
″自分の本当の性格を生かせない人間は、誰でも自分の力を出しきれない”
時計を見たら、夜半の一時をいつの間にか過ぎていた。
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