Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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5 自然と人間
「東洋の智慧を語る」季羡林/蒋忠新(池田大作全集第111巻)
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「依正不二」論
池田
人間は本来、大自然の一部であるとのご意見に、私も同意します。
仏教の「縁起の思想」でも説いているように、人間は大自然と相互に密接な関連性をたもって存在しています。
中国天台家の
妙楽大師
湛然
たんねん
は、『法華玄義釈籤』の中で、人間と自然(環境)の関係性を「依正不二」論として展開しました。
ここに「正報」とは生命主体であり「依報」とはその環境をさします。今「正報」を人間とすれば、「依報」は、生態系を含んだ地球環境をさします。ここに人間生命と地球自然生態系との関連性が、「而二不二」として示されることになります。
日蓮大聖人は、「依正不二」論を、「正報」の立場から、次のように述べております。
「十方は依報である。衆生は正報である。たとえば、依報は影であり、正報は体のようなものである。身体がなければ影はない。それと同じく正報がなければ依報もないのである。また、その正報は、依報をもってつくる」(御書1140ページ)
人間生命を「身」とすれば、その環境は「影」にたとえられ、「身」と「影」が離れないように、人間は環境とつねに一体であるという法理です。
そして、この「人間」と「環境」の相互関連を示すと、「正報は、依報をもってその体をつくる」とあるように、人間は環境(自然生態系)の働きに支えられて、成長、発展していくことができます。
一方、「正報が、なければ依報もない」と言われるように、環境のほうも人間生命の働きかけを待って、形成、変転していくのです。
ゆえに、どのような環境をつくっていくかという主体的なかかわり方、責任は、人間の側にあるということになります。
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