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日蓮大聖人・池田大作

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婦人部・海外代表協議会 誠実で勝て! リーダー率先で勝て!

2005.5.31 スピーチ(2005.4〜)(池田大作全集第98巻)

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19  善の声を強めよ! 悪と戦う力を持て
 ノーベル文学賞に輝いたアメリカの作家パール・バック(一八九二年〜一九七三年)。彼女は、名門のケネディ家に対する嫉妬や敵意の数々を通して、次のように論じている。
 「新聞、ラジオ、テレビは、彼らが愛情と同時にねたみを抱く知名人、成功者、傑物を葬り去らんとする欲望から、人々にスキャンダルを提供しようと手ぐすねひいているのだ」
 「(=それらの伝達機関は)よからぬニュースを探し、そして何も見つからないとなれば、うわさやうそから『ニュース』をでっちあげてしまうのだ」(『ケネディ家の女性たち』佐藤亮一訳、主婦の友社)
 さらに、才能のある者、成功した者が攻撃される理由の一つとして、「精神と才能に劣る人々の側に、才に恵まれ成功している人々に対する本物の敵意が生じてくる」(同前)と述べている。鋭い洞察である。
 彼女は、別のところで、次のようにも訴えている。終戦直後、日本の人々に対して呼びかけた文章である。
 「善なる人々の声は悪なる人々の声よりもより数多く、より明瞭でなければならない、このことを善なる人々は自らの責務として認めねばならぬ」と。
 自由とは責任を伴う。ゆえに一人一人が自由を享受するためには、人間を抑圧する悪を監視し、その悪と戦う力を持たねばならない。こう彼女は述べている。
 そして、「邪悪に対する、永遠の闘争」があってこそ、自由は守られることを強く叫んだのである。(「毎日新聞」一九四五年十月二日付に掲載されたパール・バックの一文「日本の人々に」から)
 善なる正義の声を、さらに強く強く放ちゆくことだ。それが青年の使命である。
20  私は、若き日から、攻撃精神、破折精神で戦ってきた。学会を、戸田先生を、誹謗する者がいれば、どこにでも飛んで行った。そして、相手がだれであろうと、青年らしく、真正面から対話し、「それはちがう!」「真実はこうである!」と相手の誤りを一つ一つ正していったのである。
 リーダーならば、外へ打って出ることだ。最前線で人間と交わり、一人でも多くの理解者をつくっていくことだ。
 戸田先生は、「幹部だ。幹部で決まる」と厳しく言われた。すべては幹部の一念で決まる。行動で決まる。できあがった組織の中で、ただ号令をかけるだけでは、皆の共感は得られない。拡大の勢いも生まれてこない。
 先日も紹介した御金言であるが、もう一度、拝読しておきたい。
 「どのような大善をつくり、法華経を千万部も読み、書写し、一念三千の観念観法の道を得た人であっても、法華経の敵を責めなければ、それだけで成仏はないのである」(御書1494㌻、通解)
 この烈々たる破折精神とそ、仏法の根本であり、戸田先生の結論であった。
21  労苦が人間を輝かせる
 大聖人は、「人の身の五尺・六尺のたましひも一尺の面にあらはれ」と仰せである。また顔には、「人生の年輪が表れる」ともいわれる。風雪に耐え、逆境に打ち勝った顔は、どこか光って見えるものだ。
 労苦こそが、人間を輝かせる。また、自分が苦労してこそ、他人の苦労がわかるのである。
 ゆえに、学会の将来を担う青年部、そして青年部出身の幹部は、求めて苦労していくことだ。外見や見栄など、かなぐり捨てて、戦うことだ。
 真剣に戦う会員の気持ちが感じられない幹部であるならば、あまりに無慈悲である。学会のため、同志のため、苦労しぬいた人こそが、本物のリーダーなのである。
 戸田先生は、こうも言われていた。
 「地位や学歴で、偉さが決まるのではない。日蓮大聖人の弟子として『広宣流布に働く人』こそ『いちばん、偉い人』である。その人をいちばん、大事にするのだ」
 真面目な学会員ほど尊く、偉大な存在は絶対にない。
 だからこそ、だれよりも自分が汗を流し、広布に戦い、会員に尽くしていくリーダーであっていただきたいのだ。そしてまた、同志の話に真摯に耳をかたむけていくことである。とくに、婦人部、女子部の意見をよく聞き、最大に尊重していくべきである。
 「会員が、あの幹部を見ると、心から安心して信心に励めるといった幹部であってほしい」――これが、戸田先生の悲顕であった。
 今、現実の上で、人と会い、人と語り、社会の隅々にまで仏法を弘めているのは、わが学会しかない。なかんずく、婦人部の皆さま方の功績は、あまりに大きい。
 人間として、もっとも正しい行動である。自他ともの絶対の幸福の道を開いているのである。わが生命に未来永遠に朽ちない「福徳の宝」を積んでいることを確信していただきたい。
22  さらに戸田先生のご指導を、いくつか紹介したい。
 「お金がなくて悩む。体が弱くて悩む。勤めがおもしろくなくて悩む。子どもが成績が悪くて悩む。夫が教養がなくて悩む。上司がやかましくて悩む。こうした悩みは、多次元にわたって、時々刻々と起こってくる。これが人生である。
 そのなかにあって、『法』を弘めようとして悩む。人々を幸福にしようとして悩む。正しき信心に立って、法のため、人のため、広宣流布のために悩む、ということは最大のすばらしき悩みである」
 「煩悩即菩提」と仏法では説く。悩みがあるから成長できるのだ。
 いわんや、広宣流布のために、悩み、祈り、苦労するならば、その分だけ、偉大なる仏の境涯が開かれていく。生々世々、大福運に包まれていくのである。
23  「青年部革命」の大波を
 戸田先生は、青年をこよなく愛された。ゆえにまた、青年を徹底的に訓練された。どんなことも、「青年部にやらせよう」「青年部にまかせておけ」と、私たち青年に託してくださったのである。
 私も必死だった。家に帰ると、もう靴も脱げないくらい、くたくたになるまで動きに動いた。
 そうやって、戸田先生に言われたことは、すべてやりきってきた。この恩師の薫陶があったがゆえに、今の私がある。
 私は、次の学会を担う本物の青年部を構築するために、もう一度、本格的に力を注いでいきたいと決意している。青年部の時代である。すべては青年部に託していくしかない。
 断じて、広布のために! 会員のために!――この戸田先生の魂を、そして私の魂を、永遠に変わらぬ「師弟の魂」を、わが青年部に、断固として受け継いでいただきたいのである。
 二十一世紀の勝利を決しゅく「青年部革命」の波を起こしてまいりたい。
 戸田先生との思い出は尽きない。ある時などは、「何とか、大作を長生きさせてあげたい。だが心配だ。三十まで生きられるかどうか、わからない」と涙を流されたとも、うかがった。
 もともと肺病を患っており、体は弱かった。その私が、今日まで元気に広宣流布に戦い続けてくることができた。すべては、戸田先生のもと、わが身を捨てて、お仕えしてきた功徳にほかならない。本当にありがたき師匠であった。
24  人生の苦難に屈してはならない
 戸田先生は、青年を激励して言われた。
 「人生にあっては、大なり小なり、何らかの難に直面するものだ。
 その時は、もうこれでおしまいかと落胆し、諦めようと思うことがあるかもしれない。また苦しみのあまり、絶望の淵に沈む場合もあるにちがいない。
 しかし絶対に、人生の苦難に屈してはならない。負けてはならない。必ずや、あとになれば、あの時、頑張りぬいて本当に良かったと、さわやかに思い返せるものだ」
 負けない人が真実の勝利者である。大変な時ほど、宿命転換ができる。人間革命ができるのである
 またある時、激戦に臨んで、戸田先生は厳として叫ばれた。
 「どんな戦いでも、団結の強いほうが勝つ!」
 異体同心――これが永遠の勝利の軌道である。
25  牧口先生は、信心の偉大な力について、こう語られた。
 「″この病気を、必ず変毒為薬してみせるぞ、健康という大福運、大功徳を開くのだ″と確信し、決意して信心を続けていくことが大事だ。
 そのとき、病気が治るだけではなく、全快したときには、以前よりも健康になるのが、変毒為薬の妙法である」
 全同志のますますのご健康とご長寿を、私は、妻とともに、真剣に祈り続けている。
 全国には、だれも見ていないようなところで、黙々と、わが学会を支えている方々が数多くおられることも、よく存じあげているつもりである。私は、こうした方をサーチライトを当てるように探し出し、顕彰してさしあげたい気持ちでいっぱいである。
 全国の同志の皆さま方、本当にありがとうございます!
 結びに、「創価学会は、どこまでも『師弟の心』を合致させて、永遠に『広宣流布の勝利』を成し遂げていくのだ!」との戸田先生の遺言の叫びを紹介し、私のスピーチとします。
 健康第一の前進を、お願いします、お体を大切に! 賢明に、そして勇敢に戦いましょう!
 イタリアの皆さん、皆で喜びの曲を奏でながら、仲良く朗らかに進んでください。各地の婦人部の皆さま方も、本当にご苦労さまでした。、お会いできなかった方々に、くれぐれもよろしくお伝えください。
 きょうは、本当にありがとう! グラッチェ!(イタリア語でありがとう)
 (東京・信濃文化センター)

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