Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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4 文化遺産の保存
「21世紀への人間と哲学」デルボラフ(池田大作全集第13巻)
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もっとも大事なのは、そうした遺産を見捨てるのでなく、教会や寺院などの場合のように、その本来の使い方に即して保存することです。宮殿や城も部分的に住むことができますし、政治的・外交的目的に役立てることも、博物館とすることもできます。それらを、たんに観光用の呼び物とするだけでは、もったいないと思います。
とうぜん、旅行者のなかには、あらかじめ書物で勉強しており、見学することによって、自分の想像を実際に確かめることができる専門家や博識者もいることでしょう。そこで、個々の国々のなかで、また全世界を通じて、こうした過去の芸術的遺産に対するわれわれの関係を、より内面化するには何が必要か、というあなたの問題提起に対しては、歴史意識、歴史への関心の奨励である、とお答えしたいと思います。
これに関連して、学習知識の「歴史文学的」次元についてふれたいと思います。先に、私は、学校で学ぶ知識の実践的意義について語り、そこから道徳教育との関連性を示しました。
しかし、歴史・文学上の学習知識は、かならずしも暗記するためだけの、無用の長物ではありません。その意図からすれば、むしろわれわれの文化を人生の根本と結びつけるような、あなたが、文化の系図と名づけたものに対する理解を、呼びおこすものであるべきなのです。
それにくわえて、われわれの文化遺産の中心的位置を占める文学と音楽にたずさわることは、文芸と音楽の伝統というかたちで客体化された精神への、導入部となります。この科目の教育は、自然科学や技術といった科目の偏重による歴史感覚の欠如を埋めあわせるばかりでなく、あなたの表現を借りると、積極的に青少年の創造性を、また、真正な文化的要請に対する感受性を高めるのに、とくにかなっているように思います。
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