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日蓮大聖人・池田大作

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10 韓・朝鮮半島の「天人合一」思想  

「東洋の智慧を語る」季羡林/蒋忠新(池田大作全集第111巻)

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1  新しい思潮
  朝鮮には比較的長い哲学発展の歴史があります。一方ではみずからの哲学思想をもち、もう一方では隣国である中国の哲学思想の影響を受けてきました。
 中国の儒教思想は、三国時代に韓・朝鮮半島に伝わりました。天命思想は朝鮮の哲学思想に大きな影響を与えました。高麗末の李王朝の初期になると、宋代の理学が伝わりました。
 池田 その新しい思潮の基礎とも言える「天人合一」の思想も、この時代に韓・朝鮮半島の思想に取り入れられたことになりますね。
  そうです。「天人合一」の思想が優勢となりました。たとえば、李穡イセク鄭夢周チョンモンジュ鄭道伝チョンドジョンなどの思想家が現れました。彼らは「天地万物の理」について、思索を深めました。
 そして、権近キョングンが出現したのです。彼は「天人心性合一の図」をつくり、「人獣草木はその形が千差万別だが、皆、一太極中から流出した。故に万物は各一理を具している。万理は同源から出る」と述べたのです。
2  仏教寺院への厳しい批判
 池田 当時、高麗末期の韓・朝鮮半島の仏教は、清貧に生き、地方などに地道な布教活動を行っていた僧侶が見られるものの、都では寺院は王侯貴族の歓楽の場となっていたともされています。それに対して、儒学者から厳しい批判がありました。そのあたりの消息は、日本の江戸時代と同じです。
 今、あげられた李穡は、仏教徒のあまりにひどい貧欲ぶりに、恭態コンミン王へ上奏文を書いています。鄭道伝も同様に厳しく批判をしています。
 もちろん、このような資料には、党派的・教団的利害もあるでしょうが、仏教側の退廃も否定できません。そのような批判のなかで、朱子学者たちの思想は深まっていったとされています。
 ゆえに、その思想は、たんに儒学、仏教などの宗派性を超えた、普遍的で、人間の本質に対して真摯なものと言えるのではないでしょうか。
 そのなかから、「天人合一」の韓・朝鮮半島としての展開が見られたとすると、それは意義のあることだと思います。

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