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日蓮大聖人・池田大作

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2 戸田第二代会長の「悟達体験」  

「東洋の智慧を語る」季羡林/蒋忠新(池田大作全集第111巻)

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1  「仏とは生命なり」
  牧口初代会長と戸田第二代会長は、侵略行為をする日本の軍部に激しく反対し、投獄されましたね。
 戸田会長は、獄中で「悟達体験」をされますが、その体験は『法華経』を中心とするものでした。そのようすは、池田先生が著書『人間革命』の中で描いておられます。
 池田 そのとおりです。
  それによりますと、戸田会長は『法華経』の開経である『無量義経』の三十四の否定句を通して、仏身の部分について繰り返し思索を続けた。
 そして、不可思議の境地にいたり、たちまちにして、「仏とは生命である」と悟ったことが、はっきりとと述べられています。
 池田 戸田第二代会長の「仏とは生命なり。わが内にもあり、大宇宙にも遍満する大生命のことなり」との悟達ですね。『法華経』の「真理」「宇宙生命」に心眼を開かれたのです。
 そして戸田会長は『法華経』の真髄を、わかりやすい言葉で現代に蘇らせました。
  この経過を、戸田会長は『生命論』と題する論文に書いておられますが、「小宇宙」としての自己の生命と「大宇宙」が一体となった宗教体験は、瞬時にして「宇宙即我」「我即宇宙」の境地に悟達せしめたものと思います。
2  「地涌の菩薩」の自覚
 池田 戸田会長は、宇宙生命ーー「久遠の生命」と一体化する境地を体験することによって、「われ、地涌の菩薩なり」という自覚に立ちました。
 ほかならぬ自己自身が、『法華経』に登場する「地涌の菩薩」であったとの深い自覚に立たれたのです。
 そして、「地涌の菩薩」が続々と出現し、『法華経』の「真理」をもって人類を救うべき「時」が来たー戸田会長は、そういう宗教的使命感を大難のなかで自得したのです。
 その確信を原動力として、日本の軍部の弾圧で壊滅状態にあった創価学会の戦後の再建と発展が始まりました。
  よくわかります。
 先ほど私は、「日本における『法華経』の現状を考察しようとすれば、まず創価学会の現状を考察しなければならない」と申し上げました。
 そう述べるにあたって、私は厳粛に次のことを言明しなければなりません。
 それは、日本には『法華経』を中心経典とする多くの仏教団体があり、その間には論争があるかと思いますが、私は完全に超越した立場を堅持しており、絶対に論争に介入するつもりはないということです。
 私の創価学会に対する理解は、完全に事実と経験の基礎に立脚したものです。
 池田 真実を探究する学者として、当然の態度と思います。

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