Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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8 日蓮大聖人と『法華経』
「東洋の智慧を語る」季羡林/蒋忠新(池田大作全集第111巻)
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民衆仏教の確立
蒋
次に貴創価学会が信仰の根本とされている十三世紀の日蓮と『法華経』の関係は、どのようなものだったのでしょうか。
池田
二点に要約してお答えさせていただきます。
第一点は、日蓮大聖人は、『法華経』の真髄を万人が実践し成仏できる修行法として確立されたということです。そこで、真の意味での民衆仏教が確立しました。
大聖人は、釈尊の経典を広く、また深く考察し、釈尊の教えの肝要は『法華経』である、と結論づけました。
そして、インドの釈尊、中国の天台大師、日本の伝教大師、それに、ご自身を、仏教の正統な信仰を継承した「三国四師」と位置づけました。
それと同時に、末法という時代をかんがみ、時代にふさわしい、『法華経』の真髄の修行方法を示したのです。
天台大師は、『法華経』にもとづいて、すべての人々に仏界が本来的にそなわっており、成仏が可能であるという法理を「十界互具」として打ち立てた。そして、万人の普遍的救済原理を示したのです。そして、その仏界を体得する修行法を『摩訶止観』における「一念三千」の観念観法などどして教えました。
しかし、このような修行法は出家者でさえも容易ではなく、いわんや、多くの末法の一般民衆には、現実的に不可能な修行法でした。大聖人は、「十界互具」「一念三千」の法理をふまえつつ、信仰の対境としての曼荼羅本尊を示しました。
その本尊に「南無妙法蓮華経」と唱題すれば、すべての人々が、本来そなわっている清浄なる仏界を顕現し、成仏できるという、万人に可能な修行方法を確立されたのです。
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「立正安国」
蒋
第二点目はいかなる内容でしょうか。
池田
大聖人は『法華経』の慈悲の精神を社会のあらゆる分野に顕現し、社会正義と理想社会の実現をめざすべきであると教えました。
大聖人は『法華経』に示される「裟婆即寂光土」「此土即仏国土」の理念のとおり、この現実の裟婆世界を「寂光土」とし、「仏国土」とすべきことを説きました。
大聖人は、自然災害や病気、飢鐘などに苦しんでいた民衆を救済しようと「立正安国論」を著されました。
この「立正」とは、指導者をはじめとする社会の構成員の精神・思想を、『法華経』の生命の尊厳等の理念にかなうものに変革することです。
「安国」とは、全世界の民衆の平和・安寧を意味します。「国」といっても、国家主義的なものではありません。
その根拠の一つをあげれば、大聖人は「立正安国論」の中で、多くの場合、「国」の字を「民」を使って「囻」と書いております。
ここに、「国」にとって「民」とそが根本であるという思想が、明確に示されております。
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