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日蓮大聖人・池田大作

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「火の国」広布三十周年を讃える  

詩歌・贈言「青年の譜」「広宣の詩」(池田大作全集第39巻)

前後
1   
 ああ法水厳と七百年
 御本仏の魂魄まします 
 荘厳なる富士の霊場
 その外護の思い深く
 幾百年 幾先年に纏わる
 邪法邪義を撃ちゆく
 妙法広布の勇者あり
  
 代々の御法主の慈悲は 
 甚大にして無量
 その外護の心をよみせられ
  
 遂に慈折広布の火蓋は切られた 
 時に昭和二十六年五月の三日なり
  
 その勇者は叫んだ 
 「大聖人の時代に還れ」と 
  
 正義の旗持てる
 勇者に共鳴して
 遙かなるあの大地にもこの天地にも 
 広宣流布への地涌の同志ともは 
 起ち上がった 
  
 ここ火の国九州もまた 
 熱烈たる 
 信心の炎を燃やしながら
 勇敢なる同志ともは起ち走った 
2  春の霞も知らず
 貧しき身なりなれども 
 心錦を飾りて 
 仏勅の法戦
 火の国の燎原に燃え
 ここに三十年
 ああ炎熱の厳しき夏に 
 汗を全身に流し涙を流しながら 
 あの人の胸にぶつかり 
 あの頑な家に向いて
 転戦転教すること 
 早くも三十年 
  
 この元初に誓いし使命のままに 
 国破れ世乱れし社会に 
 信強く心美しき地涌の同志とも
 九州のありとあらゆる地の果てまで 
 叫び続けた
  
 いな日本列島の
 名も知らぬ村々にも
 遠くび転戦を重ね来たった
 同志達
 我が家の安穏と別れながら 
 ひたすら又ひたすら
 折伏という熾烈なる
 末法の行動に限りなく走りし
 尊き火の国の同志とも
  
 秋の紅葉も目に映らざるか 
 新しき妙法の 
 心の輪を拡げんと 
 嵐の法難にもめげず
3  中傷の波浪高くも 
 笑の雲暗くとも 
  
 歌声と笑いと 
 希望に満ちみちて 
 遙かなる 
 旭日の山をめざしながら
 我が身を砕けんとするが如くに 
 不惜の法戦を展開しゆく
 陽気な地涌の 
 火の国の同志よ
  
 寂まりかえった
 凍てつく冬の夜空の銀河を 
 仰ぎながら
 あの人を 
 あの友を 
 大法に導かんとするも 
 その人達が
 南無することをい去り
 満ち足りぬ心 
 帰りしこの道 
  
 さらにさらに 
 それらの苦痛に耐えながら 
 再びあの家に向かわんとしゆく 
 辛き修行の街角
4  来たる夜も来たる夜も 
 あちこちの
 小路を流浪さすらい 
 往かんとする家々を探しながらも
 その目的を達することが出来ず 
 涙しながら帰り来たった日々
  
 ある時は 
 職場で狂人とわらわれ
  
 ある時は 
 乱暴者に心引き裂かれるが如く 
 忍耐の日々を送った思い出 
  
 又ある時は
 血が噴きでるが如く
 罵詈讒謗を浴びせられた同志とも
 そして又ある時は 
 同信退転の友に
 裏切られながら
 悲しき心に沈んだ日々 
  
 しかし地涌の同志は
 これこそ御聖訓のままなりと
 信仰の弓をさらに張りながら
 耐えに耐えた 
  
 その雄々しき 
 地涌の行進の中には
 貧女の一灯にもまさる 
 わずかなる財を
 細々と費やしながらの 
 広布の旅路の同志ともも多くあった 
  
 そしてその人達が 
 山道を越え
 森の中を越え 
 泥沼の道を越え
 幾十時間もたどったが 
 その返答は罵倒であった
5  これら草創の先達は
 さらに共戦の心燃え
 この世でなさねばならぬ
 自らの広宣流布という正義のために 
 全身を燃えあがらせながら 
 ひたすら前に進んだ
  
 それはこの幾百年にわたって
 見たことも無き
 自らを犠牲にして悔いなき 
 常楽我浄と無上道の
 新世紀誕生への
 震動であったに違いない
 かつて国を守りし防塁の
 筑紫は福岡となり 
 豊かの国は大分となる 
 文教の肥前は佐賀に
 阿蘇の大自然に育まれし
 肥後は熊本になる 
 日本千年の門戸長崎
 太陽と緑の国日向は宮崎に 
 そしていにしえより親しくよばれし摩は 
 鹿児島となる 
  
 このすべてのえにし深き大地に 
 ここ火の国にも
 幾十万という地涌の戦士が 
 起つに至った 
 この火の国に 
 「法」と「幸」の輪を 
 間断無く拡げ来たった 
 地涌の勇者を 
 私は讃えずにはいられない 
  
 その広布の旅路のあした
 そしてその昼も夜も
 肩に背負いし幼き子らは
 今や凛々しく 
 今や福智の人生と生い立ち 
 晴れがましく 
 親から子へと広宣流布へ
 東奔西走している
6  その勝利の姿を目の当たりにして
 私の心は踊る
 また父母ちちはは微笑ほほえみは目に浮かぶ
  
 ああ令法は久住にして
 広宣流布は永遠たるのあかし
  
 これまでも建設の坂の道にありて
 幾何いくばくの先駆の同志とも倒る
 私は心より冥福を祈るとともに 
 幾何の
 不退の心浅くして 
 我が陣列を去りゆく友を悲しむ
  
 しかし仏説に照らしながら
 我らは
 同信退転の屍を乗り越え
 潔く又潔く
 仏意のままに
 生涯にわたる
 妙法と生命の旅路を
 歩み征かんとするか
7  その一念の因ありて
 現在にわたる偉大なる
 栄光の凱歌の果を
 得ることを知るがためなり
  
 未来も又
 同じき法理と軌跡であることを
 覚知するがためなり
  
 これ全てが
 三世にわたりゆく寿量の幸と
 立正をして安国ならしめんとする
 仏子の無上の誉れであるからだ
  
 信じたる者何故なにゆえ死するかという 
 筑豊炭鉱の大災害の山を越え
 昭和三十三年四月二日の
 衝撃の河を越え
  
 昭和四十五年の暴風雨の如き
 空を越え
  
 さらに
 「正信」という名を借り
 尊き仏子をいじめにいじめぬいた
 狂乱の陰謀画策の吹雪を越え
  
 今ここに
 安定と進歩と
 大空に輝きわたる太陽を仰ぐ
 火の国の同志の凱歌を
 私は諸手をあげて
 讃嘆せずにはいられない
8  今
 二十一世紀の山を登りゆかんとする
 笑顔と笑顔の火の国の同志よ
  
 全ての悲劇は彼方に消え去り
 未来は無数の天使のような
 洋々たる希望の
 ロマンに包まれている
  
 春は
 新鮮な陽を全身に浴びて
 万代に薫りゆく
 共戦の調べを聴きながら
  
 夏は 
 人間の水平線に無限の希望を見詰め
 波の音とともに
 友の勝鬨を聴きながら
  
 秋は
 静寂と宇宙につらなる生命の中に
 月光の曲を聴きながら
  
 冬は
 不滅の思想と
 悠遠にわたる宝塔の幸の鼓動を
 みしめながら
  
 今
 偉大なる九州の火の国の同志は
 人生の祝福を
 諸天に包まれながら
 さらに五十周年への
 飛躍の門出をしていくに違いない
  (1983.9.21)

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