Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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雪
詩歌・贈言「青年の譜」「広宣の詩」(池田大作全集第39巻)
前後
1
雪が降る
天から降る
「天から便りを持って来る雪よ」
と歌った詩人がある
純白の衣裳で
人の心まで真白く
睡
ねむ
らせようと
作業する雪
絢爛たる美に直結させようと
努力する雪
正六角形の
硬質の結晶でありながら
柔らかい花弁のように
空間をゆっくりと舞いゆき
あまたの世界を
詩の庭園に変革させようと降りゆく雪
地上の仮面をかくそうと
切々と訴えながら降りつづける雪
それは
汚れを知らぬ
処女
おとめ
のように
清楚な
燦
きらめ
きと柔和な笑みをたやさぬ
静かな雪
無声の合唱をしながら雪は降る
それは
天然の壮大なハーモニーにも似て
着色なき 完璧な芸術であろう
黙々と厳寒に訪れる冷たき使者
限りなき広野に君臨する白銀の王者
なぜか雪は
人の心を温め
わが心にしみいる
清純な典雅の曲にも思えてならない
2
雪よ
絶妙の化粧の雪よ
暁の光なき人間の曠野を
いくたびも
少年の夢の殿堂にしてくれた
白き空想の雪よ!
春草を待ちわびながら
刹那でも 跳躍を願いながら
その白き素肌で
この世に濁りを
包容
つつ
もうとする
いじらしき雪よ
わたくしは
その自在のシナリオを見るたびに
そのけなげな表現を見るたびに
なにか
新しき可能性への世界が拡がるのだ
(197111.7)
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