Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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芒
詩歌・贈言「青年の譜」「広宣の詩」(池田大作全集第39巻)
前後
1
竹林の彼方
おちこちに茅葺きの家
誰が弾く琵琶か
響き高く低く
鬼芭
おにすすき
静かに直立して聞く
王朝の殉難の王子
悲恋に病みし姫の面影
幽界よりいでて
芒の容貌となったのか
細歯を多く身にまとい
王子と姫と二人だけでは
淋しいから
大勢の家来を連れて来たのか
芒原
華やかな都には咲かない
緑の袴を着し
曠野を
漂白
さすら
い疲れて
山々に休みつつ根を張ったのか
穂芭よ
細い足を針金の如く
銀色の腕で
金色の顔で
無心に誰を呼ぶのか
風 盛衰の道を吹く
玉の露の 涙を流し
寒風に たえて咲く花芒
2
幼き日
十五夜の絵のごとき
月見の夢も 今は侘し
万葉の友は いかにと謳う
古今の友は なんと詠む
黄昏の箱根路
白雪の不二
薄っすらと聳えたつ
繊細の綾なす
蒔絵の絵筆の先に
芒原が なかったならば
むなしく
君の舞台は消えてゆく
秋風に栄枯の道がある
芒よ お前は
老境の胸中をそっと撫でているのか
路傍に 土手に 気高くありて
青春の{途}(みち)を避けて暮らすのか
青春の人の昇華を眺めつつ生きるのか
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