Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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宇宙
詩歌・贈言「青年の譜」「広宣の詩」(池田大作全集第39巻)
前後
1
天空は限りなく
大地は虚空に浮遊しながら
思考も想像もなく実在する
宇宙――
その遠い昔
天座の美しい詩的の
光耀
きらめき
に
人びとは幻想の曲を聞いた
牽牛はあゆみ
織女は相寄る銀漢の恋
秋 中天に白鳥の翼の飛翔
はるか航海の船に祈る北極星
友と語り友と踊りし
竪琴の音奏でる南十字星
神秘の姫が昇りゆく
赫夜
かぐや
の月
人間を荘重に懐く不可思議の空間
明滅の高座のかなた
過来 如来 未来
縦に悠遠はてなく
幾重の次元にも交わりながら
横に広大極まりない
冥界
めいかい
の調べに
西洋は帰納の科学を追い求め
東洋は演繹の英知と思索で迫った
人智煩悶の
彷徨
さすら
い動く
遥か地表を見下ろしながら
超絶せる美妙寂然の
大虚
だいこ
滅不滅の
清寥
せいりょう
の恒星系を
淡青の光芒を放ちながら
独り豁然と軌道する 有情の地球
2
太陽の黄金の波風は その蒼い球体に
みどりと変化の四季の景画をおくる
微小の核子の融け合った
熱塊
エネルギー
は
地上に生気爛漫の生命の香りを歌う
寂寞の彼方 悠遠の太古に
冷たき無生の
暗闇
くらやみ
から
誕生
うま
れた
うごき 悩む 主動の
生命
いのち
たち
自然の鮮烈な光と呼吸の作業は
生々天然の大宇宙の脈動を
実証
あか
した
十人の太陽家族を眷属とする
壮大な銀河の渦巻きも
光年光遠の
涯
はて
かぎりない
無窮の宇宙の舞台に比べれば
ただ一点の燐火に過ぎない
その眼前に立てば
うつろい変わる弱小の人間の戸は絶えぬ
深海の天上を仰ぎて
眩
くるめ
くわが
眉目
びもく
には
絶句と沈黙のみがたたずみ
苦悶と放擲の追憶に病みぬ
しかし
英知の走る科学の眼さえ
思議の外とした
空漠の奥深く横たわる宝石の中を
形而上の その輝きの本質を
東洋の心眼の碩哲は直覚したのだ
三千無数の大千世界と
無常変転の如々として来る人間の
色心
こころ
と
極微幽徴のアトムの混沌に流れる
常住本源の生命の極図を――
3
無に等しき人間を
一点に縮めながら
きわまりなく動く無辺巨大の宇宙
その極大に囲まれながら
哲理の一念の
生命
いのち
は
いま再び大宇宙を包みかえさんとする
因果の瞬間は倶時と映じて
有限は無限をはらみ
刹那は悠遠をいだく
自我と宇宙の交叉の
活動
はたらき
――
それぞれが
円融の大音声の曲に合わせながら
万有の流転は停滞を知らない
(1972.1)
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