Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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価値の日々 昭和60年10月〜同62年12月

「価値の日々」「若き友へ贈る」「わが友へ」「友へ贈る」(池田大作全集第38巻)

前後
1   
 春が躍動の象徴なれば
   秋は知性の季節である
 夏が情熱の乱舞の時なれば
   冬は鍛錬の季節であろう
 故に私は 四季を貫き通して
   無限に価値ある人生のために
    自身の軌跡を歩むことを
     決めたのだ
  
 批判 中傷の多くは
   真実を
    追究したものではない
 感情と
  妬みと
   打算 偏見の
    上からである
  これを鋭く見抜くことが
   真の英知であり
    智慧であることを
     知らねばならない
  
 一日一日を
  いかに価値多く
   過ごすか
  その人生の集積が
   その人の三世にわたる
    幸 不幸を
     決定づける
  
 民衆の力ほど
   偉大にして
    永遠なるものはない
  この民衆の前には
   如何なる帝王たりとも
    権力者たりとも
     屈服せざるを
      得ないからだ
  
 元初の旭日をば
  わが一念に持てる人は
   最大に幸せである
  君よ
   この一年をば
    曇天や風雪の日が
     あったとしても
   わが胸中にある太陽を
    燃焼できることを
     決して忘れてはならない
2   
 人生とは
  一生涯にわたっての
    勝負の連続で
     あるかもしれない
  故に君よ
   事に処して
    敢然と耐えゆける
     確固たる栄冠の素地を
      つくりゆくことだ
  
 勝つことも大切であるが
   決して負けない自分を
    作ることだ
  仏の異名は「能忍」とある
   故に人生にあってこの深き
    基底部を作りゆく事を
     若人は忘れてはならない
  
 大法を讃え
   人びとに弘めゆく人は
    永遠の幸福を
     与えゆく賢者であり
   その人自身が
    永遠の福徳と善根を
     握った人である
  
 「実践」と「行動」と
  「体験」をもつ人は
   人間として最高に
    力を持ち得た人である
  理屈のみに左右されゆく人は
   人間としての根の張り方が
    浅き人である
  大風が来れば
   崩れさる事が多い
    ここに 人間としての人格の
     築き方を忘れまい
  
 「学ばずば 卑し」
   という言葉が
    私は大好きである
  すべての人が それなりに
   ”学ぶ”という姿勢を
    もちゆく時に 新たな
     また新たなる生命の
      光彩が漂っていきからである
3   
 「無量義とは一法より生ず」とは
    無量義経の一節である
 一法とは南無妙法蓮華経である
   この妙法の中に秘められたる
    無量の歓喜と 深遠なる哲理と
     無限の法則と 不幸の闇を
      貫きゆく太陽の光線とが
    全身に広がりゆくことを
     実感しゆく日々でありたい
  
 常に「勇気」と
  「希望」を与えゆく人は
    偉大友人である
  ともあれ
   指導者の第一条件は
     単純のように見えるが
    人に接しゆく時に
     この「希望」と「勇気」を与えゆく確信と
      魂の炎が燃えていなければならない
  
 いわゆる「理屈」ばかりを
   並べて 歓喜のない人は
     不幸である
  所詮「生きる」ということは
   苦悩を乗り越え 苦痛を乗り越え
    喜びの「発光」を創りゆく
     繰り返しといえるかも知れない
  
 組織は 秩序と調和と
   向上のためにある
  結論すれば
   人間のためであり
    人間から出発し人間に帰着し
     有終の美を飾るもの
      でなければならない
  
 仏法は
   現当二世である
  すぎ去った過去に
   とらわれるのでなくして
  「現在」から「未来」にわたって
   「強靭」に生きゆく
    ”光彩”の日々が
     誉れの人生たるを
      知らねばならない
4   
 「男のジェラシーは提婆」
 「女のジェラシーは鬼子母神
    と恩師は言われた
   人生の多くの葛藤は この”嫉妬”が
     原因となっていることが多い
   嫉妬は人の心を亡ぼし
     人の心を破壊する
    真の信仰は
     人の心を昇華させ
      人の心に幸の風を与える
  
 「食べられて 寝られれば
   病気ではない」
    と言った哲学者がいた
     確かにそうかも知れない
  余りにも 現代は
   すべて神経質になりさがり
    逞しく生きゆく光彩よりも
     何かに犯されるのではないかという
      不安の方が多いのは残念である
  
 青年は 未来の希望である
 少年は 未来の宝である
  青年を信頼し 期待し
   そして
    少年達を心から愛し
     大切にしゆく事のみが
      私共の責務である
    それ以外に 全人類が
     新鮮な広野に
      咲き薫る花園の世界を
       見出す事は出来ないであろう
  
 乱世の現実にあって
  師弟ということのみが
   この人生と 人間道にあって
    より深遠に
    より悠久に生きゆく
     確かなる 証かも知れない
  
 謙虚の人は
   常に余裕がある
    慢心の人は
     常に焦りがある
   余裕のある人は
    物事を正確に見る
     焦りのある人は
       反対に邪義を見る
5   
 幸福は
   与えられるものではない
  自らが
   自己の生命の胸中より
    勇気と希望を
     開発させながら
      宝財を見いだし
       大切に磨きゆくことである
  
 平凡は
   真理であるかも知れない
  目の見えることも幸せだ
   耳が聞えるととも幸せだ
    話せるととも幸せだ
     歩けることも幸せである
   その間に 「人生」は
    何かをしなければならない
   私は
    「広宣流布」をする
  
 仕事においては
  やりすぎて
   おこられるぐらいの
    積極さが大切である
  おこられまいとする要領が
   かえって仇となり
    壮大なる開発を
     失わせてしまう場合が
      多いからである
  
 平等に
  与えられた時間を
    どう悔いなく
     充実したものにするかによって
    「栄光」と
    「勝利」と
    「幸」の人生が
      築かれるか否かが
       決せられる
  
 「初心の灯」を
   消した人生は
    最も大切な青春期の
     土台を消滅したことになる
   土台を失えば
    偉大なる人生の
     幸の塔を築くことは
      最早 できない
6   
 毎日 地味な
  誰人にも知られぬ仕事
    これが大事だ
  自分の振舞いを
   満天下に示すのは
    人びとが また時代が
     決定してくれると思えば
      それで良いのだ
  
 若き人は それなりの計算も
   必要であるに違いないが
  ともかく ”当たって砕けろ”との
    心意気がなくてはならない
   これからの現実の未知の世界を
    乗り越え 登攀しゆくには
     計算だけでは臆病に
      なってしまうからである
  
 元初の太陽を
   満々と胸中に昇らせ
  君よ! 君たちよ!
   この三世につながりゆく
    金の大舞台で
     瞳を輝かせ
      黒髪をなびかせながら
    完全なる軌道を
     悠々と進みゆくことを
      深く誓い合いたいものである
  
 巌の如き 不動の信念
 春の如き 暖かな愛情
 金秋の如き
   けじめある人生の態度
  人びとが 休息の時も
   常に限りなく どこまでも
    おとぎの便りと音楽を
     与えようとする
      星の瞬きの如き
       こまやかさの心
  
 文化とは
  その人とその民族の
    花である
  故に文化運動は
    平和運動といってよい
   この文化運動こそ
    幸福への一つの果実を
     作りゆく証といえる
7   
 いかなる
   理由があるにせよ!
  絶対に
    人を殺してはならない
     また自殺してはならない
   仏法の智は
    ここより出発し
     ここに帰着する
  
 知識それ自体は
   幸福とはいえない
  確かに知識の蓄積は
   大いなる人生の啓発と
    社会の進歩のために
     必須条件であるに違いない
   しかし それを
    真の幸福を満喫するという
     次元と混同してはならない
  
 「若さ」ということは
   それ自体が美しい”真髄”なのである
  人は さまざまな美の価値を
   追求しようとする”苦労”と
    ”努力”があるようだがーー
  「若さ」それ自体が
    美の極致であることに
     自信を持たなければ愚かである
  
 青年の灰色の愚痴と
  人々が嫌悪するような
   ニヒリズムの中からは
    何も新鮮なものは生まれない
  心は凛々しく強く
   清新な生き生きとした
    青年こそ理想像といえまいか
   そこから無量の意義が
    生まれるからである
  
 結婚は年齢で幸 不幸が
   決まるものではない
  早く結婚して 離婚したり
    不幸になっている人も多い
   年輩になって結婚して
    幸せな満足の日々を
     送っている人も多い
    ともあれ結婚は 夢ではなく
     厳しき現実である事を
      忘れてはならない
8   
 いかなる国の
   権力者や宰相よりも
  現実社会にあって
   雑草の如く根強く 賢明であり
    何ものをも鋭く見抜く
     政治家は 庶民の
      一人ひとりであるに違いない
  
 賛成もよい 反対もよい
 批判もよい 納得もよい
  しかし 常に人間
    「何のため」という
      目的が問題となってくる
   若き君よ!
    常に長き人生にあって
     この一点を決して
      忘れてはならない
  
 それぞれの職場にあって
  正確なる仕事をなしゆく
   人と団体は
    繁栄と進歩がある
  反対におおざっぱで
   不正確な人と団体は
     必ず衰微する
  
 人間にとって
  人生の師を持てる人は
    幸福である
  ここにこそ人間としての
    一つの証があるからだ
   またここにこそ
    充実の人生の
     確かなる心の絆と
      調べがあるからだ
  
 リンカーンの
 「人民の 人民による
   人民のための政治」
    という有名なスピーチがある
  しかし 時代の変遷は
   今や 人間のために
  人間が 人間らしく生きるための
     生命哲学が根底になければ
      砂上の楼閣になりゆく
       時代であることを忘れてはならない
9   
 苦しんだ人
   悲しんだ人
    いじめられた人
  それらの人びとのみが
   必ずや 光輝ある
    すばらしき人生の
     深さを知ることが出来る
  
 太陽が光る
   己を鍛えゆく
    新しき夏がやってきた
  同じ汗なれば
   「何かのために」と
     思い多き汗を
      流したいものだ
  
 闘が深ければ
   深いほど
    暁は近い
  君よ
   いかなる人生の
    苦悩の聞に入ったとしても
     決して
      希望と勇気ある一念を
       忘れてはならない
    待機を
     そして忍耐を
      失つてはならない
  
 勲章も良い 表彰も良い
  しかし それらの光輝よりも
   真摯に一日一日を自分らしく
    その職場と生活に
     善意の心を持って生きぬいてきた
   人びとの生命の輝きほど
    まぶしきものはない
10   
 今日 負けたら
   明日は 勝て
  この連続の戦いが
    勝者の心である
  
 一つの修行にあって
  それなりの決意の精神がない場合は
    愚痴と批判とを繰り返すばかりで
     なんらの価値も生まれない
  
 本来
  緑のオアシスである地球に
    国境がある必要はない
  地球は人類共通の生存の場であり
    運命共同体であるからだ
   時代は 何のための民族か
       何のための国境かを
    もう一度考え直さなければ
     ならないことを要請している
  
 さまざまな難問があったとしても
  「国連」を支持することが
    大切であると思う
  理由は これ以上
   対話の場がなくなると
    人類の平和への進歩が
     後退してしまう
      恐れがあるからである
  
 「理」と「事」 「迹」と「本」は
  天地水火の違目なり
   大聖哲が喝破された如く
  いわゆるマスコミの中傷 批判は
   「迹」であり「理」であるから
     恐れてはならない
   真実の信仰と行動と
     因果の理法を確信しゆくことが
    最も重要であり
     「事」であることを忘れてはならない
  
 一生の総決算の
 安らかな死を
   願うのであれば
  一日一日を
   生き生きと事に当たって
    境涯を開きゆくことを忘れずに
     その自らの場で
      精進することが大切である

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