Nichiren・Ikeda
Search & Study
昭和三十三年(十月)
「若き日の日記・下」(池田大作全集第37巻)
前後
1 十月七日(火) 雨
秋、深まる。静かなる一日。
読書の秋。今日より『日本文学全集』を読み始む。
M君の入仏式に出席。皆、喜んで参集。文京の人びとの心は美し。
感謝の気持ち深し。
十一月度より、支部の組織拡大編成となる。再び、歩む途は、険しくなろう。私には。
信心深く。一念強く。題目の数か。
2 十月八日(水) 晴
朝、元気──夜、疲労こんぱい。
小さな境涯になる時あり──大きな境涯となりゆく時あり。
確信に満ちみちた時あり──不安に戦く時あり。
夜、本部にて──「秋元御書」の講義。予習少なく、名講義といえず。講義は、事前の研究が最第一。軽々しき、安直な研究なぞ、絶対にあってはならぬ。猛反省。
理事長らと帰る。
われ、戸田先生の弟子なり。この道を断固、一生涯。
3 十月十日(金) 晴
本部職員の秋季旅行。昨年は、先生と共に伊豆の網代であった。最後の旅。あの病躯をおしての先生の振る舞い──。
本日は、総数七十名。多数になったものだ。先生を偲び網代のK旅館に一泊。ダンス、舟遊び等──皆、愉しそうであった。私は不安な一日。責任者とは、こんなものか。
4 十月十一日(土) 晴
午前中、休息。
十一時三十分、旅館発──途中、熱海のK旅館とやらで昼食。文京支部の友だちとのこと。
午後二時三十分──全員を送り、理事長をはじめ青年部首脳らと、K旅館に一泊。全体会議のため。
映画をみたり、風呂に入ったりして、結局会議できず。
5 十月十二日(日) 晴
日食。次は五年後との記事あり。
七時、起床。朝風呂に入る。
九時三十分──小田原へ。バスの華陽会員を待つ。皆、元気なし。疲れて寝ていたのであろうか。
芦の湖──十一時着。総数八十名。午後二時三十分まで、ボート、卓球等で愉しむ。終わって集合。
一幹部は、難に負けるな──と。
青年部長は、誇りをもて──と。
私は──学会の流れ、中心を知れ。
多数の人びとに、指導を受けよ──と。
全員にて、遊覧船に乗り、芦の湖を一直線。
対岸よりパスに乗車。東京へ向かう。
全員元気──私は疲労。晴れて、本当によかった。
日々、信行学で、心境を開かねば──。励むべし、ただ信心。
6 十月十四日(火) 晴
十三日──。
国会乱闘。十年後のわが同志を見よ──と一人秘かに待つ。
ご遺族のため‥‥滋賀県に松茸狩りを。喜んでくださる。愉しんでくださる。
晴れやかな、秋の日射し。
帰りの車中も、子供のごとく満足の姿。
遅くまで──青年部首脳会議。
十四日──。
午前中──聖教新聞社。文化活動のことにつき‥‥理事長、K理事と座談会。
午後、本部面接。悩める人びとの多きことよ。忍耐と、親切と、確信ある指導を、皆は待っている──。
夜、連合会議あり。皆、遠慮しているようだ。将、愚かなるところ、会議は独創性を失う。新しき時代よ、早く来い。
7 十月十五日(水) 晴
一日中、暑い日であった。
朝、ゆっくり勤行できる。生命安定。不思議な作用。
元気に食事をし、元気に家を出る。
帰宅、十時少々前。
御書拝読。読書二時まで。
8 十月十八日(土) 曇
十七日──。
快晴。
特急「つばめ」にて京都へ。
ご遺族と共に。Y荘に一泊。
十八日──。
九時まで休む。皆で釜風呂に入り、夜は、Tにて、水たきをご馳走する。
京都の方々に、本当にお世話になる。
京の街、京の緑、河、山、紅葉、庭、人‥‥皆、舞台のごとく、劇のごとし。
9 十月二十日(月) 晴
一日が大事。一日、一日が決戦。
本部を護ることだ。今の使命は。
学会員を厳然と守ることだ。私の使命は。
難よ来れ。われは恐れない。たじろがない。
真の指導者になりたし。智勇兼備の。
S宅へ、結婚の、お祝いを。自分として、最大のことを尽くす。兄弟たちと、二時間ほど語る。
某老大家の作品を読む。この文、われはおもしろしと思う。しかし、老いたる人よ。過去の人よ。‥‥とみずからも老境の年代になることを‥‥考う。