Nichiren・Ikeda
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昭和二十九年(十月)
「若き日の日記・上」(池田大作全集第36巻)
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1 十月十三日(水) 快晴
秋晴れ。
日本晴れの一日であった。
内外共に、自分に対し激流の如き批判の声あり。口を真一文字にして進め。恐るるな。おじけるな。そして己が信念と正義のため、突き進みゆけ。
青年らしく。学会の先駆者の如く。まさに、東洋の王子らしく。革命児らしく。かつは先生の第一の弟子らしく―――。
午後、先生にお会いしに行く。
先生、叱って下さらぬ。全くつまらぬ。
五時三十分、下高井戸、日大グラウンドに、T、M、R君等と共に、体育大会の会場視察。
帰り、皆して、渋谷にて映画を観る。面白からず。
一人、蒲田駅より徒歩で帰宅。
秋月、皓々たり。青春の息吹、清く、尊く―――。雑踏の社会に、妙法護持者は蓮華でなくてはならぬ。
淋しくとも、悲しくとも、つらくとも、悩み多き時代に遭遇しても、戦いに疲れても、われらには妙法がある。月を忘るな、緑がある、自然がある。皆、友達である。
2 十月十四日(木) 快晴
午後、本部にて面接担当。
元気で責任を果たす。一人の人の悩みを根本的に解決する。尊いことだ。実に有り難いことだ。百千万の立派な理論にも勝る。大政治家の議会報告にも優れている。その名は―――折伏。
一万名総登山、本部総会、体育大会―――この三大行事を成功させるか否か―――皆、自分の責任である。御本尊様に大成功を祈る。
駅より家路に―――。澄みわたる空の月の光り、胸奥に輝く。大月天に祈りたい気持ち。
3 十月十八日(月) 雨
昨日は月例登山。
午後、F君、W君を連れ、小金井のS宅を訪う。
夕、文京支部、ならびに、男女部隊幹部一同と懇談。ゆっくり、信心、人生、生活、職業等、すべてにわたり聞いてあげる。たまには大事なことだ。
その人の悩みがどこにあるか。川の流れが止まるのは、どこかにゴミがつまっているからだ。その機微を知らずして、信心の指導は通じぬ。
一、九思一言、これは孔子の指導。而し吾人も、少々言語に気を付けて発言せねば
一、言行一致、誰人も欲し、出来得ぬこと。吾人は、これを達成してゆかねば―――
4 十月十九日(火) 曇後晴
五時、豊島公会堂にて志木支部総会。
M氏と共に、来賓として出席。
A新聞社の記者T氏と、新橋にて談合、十一時過ぎまで。
学会も社会的な第一歩を、踏み出してゆかねば―――。
秋夜、すがすがしき、静かな気持ちで帰宅。
5 十月二十日(水) 曇後雨
秋の、静かな夜が続く。
しかし、次第に菊花散り、極寒の冬も近い。
H氏と午前中、T会社の建設再建の相談。
午後、城南方面に出張。その帰り、新宿に回り、体育大会用のストップ・ウオッチを見て、本部に行く。
体育大会、情報部、支部のこと、渉外部、賞品部、会計部等々、繁多な仕事をさばく指揮で疲れる。
帰宅、午前零時。
6 十月二十一日(木) 晴
秋晴れの一日であった。
午前中、調べごとをするため、駿河台図書館に行く。満員なのに驚く。
六時、本部にて大幹部会。七時三十分終了。
八時過ぎ、支部長宅に行く。
地区部長、幹事等の任命決定をする。
終わって、風呂に入れてもらう。久しぶりである。爽やかな気持ちで家に帰る。
帰宅、午前零時を過ぎる。身体を大事にしなくては―――。
7 十月二十七日(水) 曇後雨
小雨あり。
先生、熱海に旅行。お身体の具合が悪いご様子―――。自分も頗る悪し。
如何せん、如何せん。
A新聞社のW記者と会う。I記者は来たらず。残念なり。
夜、参謀会議。皆、それぞれの意見、我見、偏見強く、なかなか、まとまらず。中心者の強力な人格と、信念と、予見とが必要である。
8 十月二十八日(木) 雨後晴
小雨より、秋晴れの天気となる。
午後零時二十分、本部に行く。先生と懇談、二時間。
身体の具合、やや良好の由。″君も長生きできる身体をつくらねばいかんぞ″と注意あり。
指導方針立案についての会議、第二会長室にて実施意見、なかなか合わず、困る。理事室陣の一歩成長を期待したい。先輩が境涯を開かずして、後輩いずくんぞ喜ばんや。
強く生きよう、未来の人々の味方になるために。強く戦おう、誠実な人々の味方になるために強く進もう、保守を破り、革新の建設のために―――。
9 十月三十日(土)〜三十一日(日)
三十日夜、午後九時三十分、バスにて、信濃町・明治絵画館前を出発。朝五時、一万名の青年部員、富士大石寺に到着。
三十一日―――七時三十分、天気晴朗。
総本山近くの、高校校庭にて、男女一万名総登山の儀式開催。
先生も、本当に嬉しそうであった。
″経済、文化、教育、科学の根底に哲学がなければならぬ。その最高の哲学こそ日蓮正宗であり、これを広宣流布することが、われわれの使命である″との講演あり。
終わって行進に移る。痛快な一日であった。
新時代の青年の縮図ここにあり。新時代の青年の先駆ここにあり。未来に輝く若人の象徴、ここに存するなりと―――。
午後四時、全員下山の途につく。
帰り、吾人等は三島に、日大のA部長を訪う。
帰宅、十一時三十分。
無事、大任を果たす。―――