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日蓮大聖人・池田大作

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3 忍耐と愛情で築いた”平和島”  

「希望の世紀へ 宝の架け橋」趙文富(池田大作全集第112巻)

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8  「武器」は忍耐、愛情、冷静さ
  一般的に、個人でも民族でも、耐え難い環境や歴史を経験した場合、「命を亡くす」のが世の常であると思います。
 そういう意味で、私は、ニーチェが唱えた「弱者と強者の共存論理」には、共感するところがあります。
 もし社会的弱者が、権力、金力、組織力、地位、名誉等をもった社会的強者と激しく戦い、生き残るとすれば、弱者の武器は、忍耐と愛情と、冷静な思考力以外の何ものでもない。
 しかもこれらは、苦難が甚だしくなればなるほど、忍耐力は強くなり、より多くの愛情を注ぐようになり、ますます冷静に脳細胞を働かせるようになるのです。
 結局、そのようにして弱者は、強者と対等に肩を並べるのみならず、相手から信頼と尊敬をも勝ち取って、相手をリードすることになります。
 池田 戦い抜かれた、真実の「人生の闘士」のみが到達する、どこまでも深い境地だと思います。
  ありがとうございます。済州島の人びとは歴史的に、韓国人の中でも最も苦難の多い生活を送ってきました。
 そして、その子孫たちが生きるために得た遺産は、個人としての忍耐心であり、勤勉で誠実な努力であり、家族関係の愛情であり、社会に対して切実に望む平和であったのです。
 地方自治の歴史も浅く、国民全体を統合するナショナリズムの街頭の歴史もなかったゆえに、縁故主義を超えた社会への博愛が未熟であったり、公的関係の共同作業も苦手であったりする短所も見受けられるのですが、戦争の歴史を最も身近に体験した済州島民たちが、だれよりも平和を望むことは言、つまでもありません。
 かつてわが国の慮泰愚ノテウ大統領と、ソ連のゴルバチョフ大統領が、済州島で歴史的な会談を行ない、冷戦構造を終わらせる先駆けとなりました。
 冷戦が終結した今、そして新たな紛争が起こり始めている今、韓半島の平和はもとより、「世界平和」へのメッセージの発信基地として、この済州島を輝かせていきたいのです!
 池田 済州島を敬愛する一人として、私も、そのように心から期待してやみません。
 幾多の苦難と試練を超え、忍耐と愛情に生きようと決めた人びとが、民しき済州島をつくり上げてこられたことが、よく分かりました。
 歴史を真に担い、築いていくのは、民衆です。無名の民衆です。
 時代の底流を動かしつつ、何ものにも膨せず色き恥く民衆こそ、最終的な「歴史の担い手」であり、広範な「平和の担い手」です。
 このすばらしき「済州島の伝統」を、次代の「世界の伝統」にしていくことが大切ではないでしょうか。

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