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日蓮大聖人・池田大作

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4 韓国の宝 済州大学の挑戦  

「希望の世紀へ 宝の架け橋」趙文富(池田大作全集第112巻)

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7  無名の庶民の幸福こそ大学教育の出発点
  韓国でも、個人的な利己主義や集団的な利己主義によって、金融秩序や法秩序を撹乱させ、善良な多くの人びとを苦しめている例が見られます。
 私は、思うのです。指導者たるもの、上に立てば立つほど苦労をしなければならない、と。
 そうでなければ、本当に苦労している人の心など、分かるはずがありません。痛みが分からないから観念になってしまう。一部の指導者たちが政治や経済の舵取りを誤るのも、苦労している人びとの心を理僻していないからではないでしょうか。
 池田 まったく同感です。そうした風潮を改めるためにも、指導者革命が必要です。そして、未来の指導者を育てる「教育」、なかんずく「大学教育」のあり方が焦点となってくると思います。
 以前(一九九六年六月)、アメリカのデンバー大学を訪れたことがありますが、その時、同大学の創立者であるジョン・エバンズ先生の言葉を聞いて、わが意を得たりとの思いがしました。
 それは、「善なるもののために、知性と人格をつくる機関を創立すれば、それは機能し続け、未来永遠、世代から世代へと影響を蓄積してゆくだろう。そうすればわれわれは、国家と人類に対し、最高にして、最も崇高な奉仕をしたことになるであろう」と。
 創価大学や創価学園の創立に込めた私の思いも、まったく同じものでした。
 創価大学が開学した時、私は、一対のブロンズ像を贈りました。その台座には、
 「英知を磨くは何のため君よそれを忘るるな」
 「労苦と使命の中にのみ人生の価値は生まれる」との言葉が刻まれています。
 社会のため、そして何よりも無名の庶民の幸福のために、何を学び何を為すべきか。その一点に対する思索と努力だけは、永遠に忘れないでほしいとの願いを込めたものです。
  すばらしい指針ですね。池田会長の深いお心に、わが大学も続いていきたいと思います。その会長に、「名誉博士号」をお贈りできたことは、時を経るごとに、わが大学を輝かせていくものと思います。
 私は、池田会長と創価大学のことについて詳しく知れば知るほど、尊敬の念とともに、その崇高な思想性に強く惹かれるようになりました。
 なかでも私が感銘を受けたのが、「生も歓喜、死も歓喜」という会長の言葉でした。その言葉に触れた時、心がとても大きく広がったのです。
 いつ死んでもよい。死をも歓喜と思えるほど、愛を込めた生を全うすることこそ、生死の境界を超えた永遠の生死なのではないか、と。
 池田 恐縮です。ハーバード大学での二度目の講演(一九九三年九月、「二十一世紀文明と大乗仏教」)で論じました。
 まさしく趙博士のごとく、毀誉褒貶など眼中にない「正義の人生」には生死を超えた信念の真髄が光っております。
 私はこの対談をとおして、博士の尊い人生を永遠に歴史に宣揚させていただこうと考えています。
 韓国の方との対談集は今回が初めてですが、尊敬する博士のような方との交友を深めながら、揺るぎない友好の道を開いていきたいのです。
 十六世紀の貴国の大教育者で、日本にも多大な影響を及ほされた李退渓イテゲの詩に、こんな一節がありますね。
  「青山は、なにゆえに、永遠に青々として、
   流水はどうして、昼夜ともなく流れてやまぬのか。
   我らも、流水のように学びをやめることなく、
   青山のように若やいで生きよう」と。
 この詩のように、韓日友好の平和の大河を共々につくりあげていきたい。
 そして、次代を担う青年たちに、友好の心を伝え、流れをさらに広げていってほしいと念願しています。

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