Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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2 生い立ち
「東洋の智慧を語る」季羡林/蒋忠新(池田大作全集第111巻)
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友情の”絆”
季
はい。いつのころからか、外国、とくにドイツへ行きたいという希望が、私の心に芽生え始めていました。
しかし、実際には漠然としたもので、まだ大きな動機ではありませんでした。また文科系の学科は、国家の経済や人民の生活になんの役にも立たない”落ちこぼれ学科”とみなされていました。そのため、官費による留学など、当然、無理だと思われました。では自費で外国へ行くと考えたとしたら、それもまた、ありえない妄想とも言うべきものでした。
ところがこんなとき、私に願ってもないチャンスが訪れました。少しのお金さえあれば、ドイツに二年間行けるというのです。
しかし、お金を工面しなければならないという問題がありました。
私は当時、故郷の済南に帰り、高等学校の教師をしておりましたが、わずかな給与は少しも残らなかったのです。
私は何度もこのチャンスを手放そうと考えました。そのとき、数人の友人がお金を工面してくれ、勇気と力を与えてくれました。友情がいかにありがたいものであるかを、私は知りました。
池田
友情こそ、宝ですね。
仏典でも、友情の大切さを教えています。たとえば、「木を植えるのに、大風が吹いても、強い支柱で支えておけば倒れない。もともと生えていた木でも、根が弱いものは倒れてしまう。
ふがいない者でも、助ける者が強ければ倒れない。少し強い者でも、独りであれば、悪い道では倒れてしまう。(中略)仏になる道は善知識(善友)に勝るものはない」(御書全集1486ページ、通解)と。
季
たしかに、そのとおりだと思います。真の知己とは、志と信念を同じくし、なんでも語りあい、ともに喜び、ともに泣くという関係でなければなりません。
友人とまじわるときは、必ず、誠心誠意、相まみえなくてはなりません。
池田
当時のドイツは、二十世紀初頭から第一次世界大戦の始まる一九一四年にかけて、ル・コックらを西域の発掘調査に派遣するなど、東洋学への関心が高く、世界的にも優れた人材を輩出していました。
そうしたドイツに師を求めて、季羨林青年は未知のドイツ留学へと旅立ったわけですね。
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